ニュース解説:土木
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鉄道高架橋のGFRP製防護壁で剥落、JR九州が約1800枚取り換え
鹿児島県内を走るJR指宿枕崎線の高架橋で東レの樹脂製防護壁の表面が剥落したのは、防護壁の製造過程に問題があったことが原因と判明した。JR九州は剥落箇所周辺で2022年12月から、不具合の恐れがある防護壁1871枚の交換作業を進めている。
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河川カメラ338台が稼働停止、初期パスワード変更せずサイバー被害
国土交通省の河川監視カメラ338台が2023年1月中旬以降、不正アクセスを受けた疑いで稼働を停止している。セキュリティー対策の不備で、外部からの侵入を許した可能性が高い。国交省が23年3月1日、カメラ画像の配信停止を発表した。
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雪解け水で脱炭素、事前にダム水位下げ発電量増やす
国土交通省東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所とJパワーは、胆沢ダム(岩手県奥州市)においてこれまで無駄にしていた雪解け水を有効活用して水力発電の発電量を増やす取り組みを始めた。
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企業の「自然情報開示」をアプリで支援、TNFDの開示指標に対応
京都大学発のスタートアップで生物調査用のスマートフォンアプリを展開するバイオーム(京都市)は、民間企業などの「自然情報開示」を支援するサービスを開発した。事業活動に由来する自然への影響を民間企業などが開示する国際的枠組み「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」の開示指標に対応する予定だ。…
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シールド機内部からカッターを交換、戸田建設などが大深度地下向けに技術開発
戸田建設とJIMテクノロジー(川崎市)、日本シビックコンサルタント(東京・千代田)は共同で、シールドトンネルの掘進を効率化するローラーカッター交換技術「Hi-RORRA System(ハイ・ローラ・システム)」を開発した。深さ40m以上の大深度地下の掘削においてシールド機内部でカッターを交換するこ…
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壁から外れた照明ケーブルで交通死傷事故、補修中のトンネル内
奈良県は2022年5月に補修工事中のトンネルで2人が死傷したバイクの転倒事故について、壁から外れて道路上に垂れ下がった仮設照明のケーブルに接触したのが原因だと明らかにした。23年2月13日に事故の調査報告書を公表した。
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猛暑日を避けて工期延長、国交省が発注の指針を改定
国土交通省は建設業の働き方改革を進める一環で、直轄土木工事の工期設定指針を2023年4月1日に改定する。熱中症を避けるために作業を止める日として猛暑日をカウントする他、天候不良などによる工事の休止日を休日とは別に数えるルールを明記する。同省が2月28日に発表した。
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山陽新幹線の地震対策を全線に拡大、今後30年で3000億円
JR西日本は2023年2月28日、山陽新幹線について高架橋柱の耐震補強など地震対策を全線に拡大すると発表した。52年度までの完了を目指して約3000億円を投じる。高架橋柱のうち国土交通省から前倒し要請を受けた優先度の高いラーメン橋台の対策は25年度までに終える。
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30分で設置できる海上足場、桟橋下での調査向けに
東亜建設工業とスターライト工業(大阪市)は共同で、杭(くい)に30分以内で設置できる桟橋調査用の軽量ユニット足場「SPIDER WEB STAGE」を開発した。軽量でユニット化した3種類の部材をボルトで連結するだけでよく、普通作業員2人がいかだ上で設置できる。潜水士や特殊な設備・技術は不要で、撤去…
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静岡・山梨県境に向けリニア工事の先進ボーリング開始
JR東海が山梨県内で進めているリニア中央新幹線の山岳トンネル工事で、2023年2月21日に静岡県境へ向けた先進ボーリングが始まった。静岡工区の着工時期が見通せない中、同社は工事の不確実な要素を減らすために県境まで可能な限り先進坑の掘削を進める。静岡県が地下水の県外流出に反発している点を踏まえ、湧水…
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建設3Dプリンターのポリウスが7億円の資金調達、量産体制確立へ
建設3DプリンターメーカーのPolyuse(ポリウス、東京・港)は第三者割当増資で7億1000万円の資金調達を実施し、量産体制の整備や製品の改良を進める。同社が2023年2月15日に明らかにした
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施工管理技士の受験で学歴を不問に、監理技術者に実務経験の証明求める
建設業界の人手不足や資格の不正取得といった問題を受け、国土交通省は2024年度から施工管理技術検定の受験要件などを見直す。受験に必要な実務経験の年数を学歴によらず統一する。受験者の実務経験を監理技術者などが工事ごとに証明する案も示した。23年2月8日に省令などの改正案を公表し、意見公募を始めた。
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異なる断層の連鎖でM7超が2回発生か、トルコ・シリア地震
2023年2月6日にトルコ南部で2回発生したマグニチュード(M)7超の地震は、2つの断層で連鎖して起こった可能性が高いことが分かった。東北大学災害科学国際研究所が、2月10日に開催したトルコ・シリア地震に関する調査速報会で発表した。
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東京ガスがなぜ洋上風力? 福島沖で浮体式、30年に再エネ600万kW
東京ガスは信夫山福島電力(福島市)と共同で福島県沖での浮体式洋上風力発電事業の検討を開始したと発表し、2023年3月6日まで環境影響評価(アセスメント)方法書の縦覧を始めた。
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河川工事が原因で浸水被害、「法的責任ない」行政が住民に補償
改修工事中の河川が想定外の豪雨で氾濫した場合、河川管理者は工事に瑕疵(かし)がなくても被災住民に補償すべきか――。2022年6月に北海道旭川市で発生したペーパン川の氾濫は、河川管理者の責任について難しい問題を投げかけた。川を管理する北海道は、工事が浸水発生の原因になったとして住民に被害を補償した。
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遠隔操縦式の水中重機に新装備、短工期で硬岩掘削が可能に
大成建設は、ダムのリニューアル工事などで使う遠隔操縦が可能な水中作業機「T-iROBO UW(ティーアイロボ・ユーダブリュー)」に装着する硬岩掘削用のアタッチメントを開発した。T-iROBO UWの既存のアタッチメントと使い分けることで、軟弱な堆積土や硬質な岩盤など水中の様々な地盤に対応できる。
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公共工事の労務単価が9年ぶり5%超上昇、コロナ特例なしで高水準
国土交通省は、公共工事の入札で予定価格の算出などに使う労務単価を2023年3月1日から引き上げる。現行と比べて全国・全職種の単純平均で5.2%上昇する。11年連続の上昇で、伸び率が5%を超えるのは9年ぶり。国交省が23年2月14日に発表した。
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樹脂製の水道管からガソリン浸入、管種の選定ミスか
北海道室蘭市内の給油所から漏れ出したガソリンが水道水に混入した事故を受け、市は浸透に弱いポリエチレン(PE)製の水道管をダクタイル鋳鉄管に取り換える。2023年2月9日に開いた有識者による検討委員会で対策を明らかにした。
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契約外の構造計算のミスで擁壁不安定に、設計者の責任問えず
岡山市が造成した県道の擁壁が不安定だった問題で、ミスがあった構造計算は、市の担当者が建設コンサルタント会社に口頭で指示した契約外の業務だったことが分かった。無償で行わせた業務なので同社の責任を問えず、市の費用負担で補強工事を実施した。市は2023年1月30日、当時の担当職員とその上司ら5人を減給な…
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解体せずに移設できる防音囲い、大成建設が工事車両用に開発
大成建設は、工事現場においてコンクリートポンプ車などの作業時の騒音を軽減するコンパクトなユニット式の防音囲いを開発した。工事車両の周囲に容易に設置でき、従来の騒音対策と比べて約20%省スペース化。各ユニットを覆う防音シートの内側に吸音材を貼ることで、5~10dBの防音効果を実現した。