ニュース解説:土木
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熱海土石流で県「大規模崩落を予想せず」、刑事事件に影響か
災害関連死を含め死者・行方不明者28人を出した静岡県熱海市の土石流で、起点にあった盛り土の造成に対応した県職員の大半が大規模な崩落の発生を想定していなかったことが県第三者委員会の検証で分かった。
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避難対策強化で死者8割減、日本海溝・千島海溝地震の津波被害
東北・北海道沖の日本海溝・千島海溝沿いで発生が予想されるマグニチュード9クラスの巨大地震で、最大約20万人と推定される死者数を、津波対策の強化などによって8割程度減らせる可能性があることが分かった。
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笛吹けど踊らぬ民間工事、労務単価引き上げても技能者に届かず
公共事業の積算に使う労務単価の上昇率に比べて、技能者の賃金収入が増えていない実態が明らかになった。受注競争の激しい民間工事で、建設会社が労務費を過度に抑えている可能性がある。
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22年度決算への悪影響見込む建設会社は4割、資機材の高騰が重荷に
ロシアのウクライナ侵攻やそれに伴う経済制裁によって2022年度単体決算に悪影響が出るとみる企業が、主要建設会社で4割を超えることが日経クロステックの調査で分かった。資材価格の高騰など建設コストの上昇が経営の重荷になる。
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CCUSを全現場に導入すれば経審で加点、国交省が改正案
国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入やワークライフバランスの改善などを評価する項目を経営事項審査に新設する。2022年3月14日の中央建設業審議会総会で改正案を公表した。22年6月に公布、23年1月に施行を予定している。
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ぶれる洋上風力の事業者選定、三菱商事「価格破壊」で審査基準見直しへ
再エネ海域利用法に基づく洋上風力発電事業への国の姿勢が定まらない。経済産業省と国土交通省は、事業者を公募で選ぶ際、従来の発電コストの安さに加え、稼働時期の早さも「担保」する方向にかじを切る。
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前田建設持ち株会社が東洋建設にTOB、完全子会社化で上場廃止
前田建設工業などを傘下に持つインフロニア・ホールディングスは2022年3月22日、東洋建設に対して完全子会社化を目的としたTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。TOBの成立後、東洋建設の上場は廃止される予定だ。官民連携やグループ全体のDXなどでシナジーを見込む。
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逆勾配でも気泡を減らせるコンクリート、トンネル覆工の側壁
戸田建設と岐阜工業(岐阜県瑞穂市)は、トンネル覆工コンクリートの部位の中でも、気泡が生じやすい側壁部の耐久性を上げる型枠を共同で開発した。気泡を低減でき、見栄えが良くなる。
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トラックの荷台上で滑って転んでけがしない、合材の付着防止剤散布を自動化
田中鉄工(佐賀県基山町)は、アスファルト合材を積むトラックの荷台に付着防止剤を自動で散布する装置「さんぷくん」を開発した。荷台に上がって散布する手間が不要になり、転倒事故などを防げる。荷台のあおりにも散布できる点がポイントだ。大型の10t車の場合、35秒ほどで散布を終えられる。
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「法定耐用」での水道管の更新は困難か、「実使用」でも年7000km
厚生労働省は、40年の法定耐用年数を超えた水道管について、今後20年間に全国で年約7000kmの更新が必要になるとの試算をまとめた。実務上の一般的な更新基準である60年で算定した。費用負担の問題などで法定耐用年数に基づく水道管の更新は困難だとの見方が強まっているためだ。
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国道の占用手続き遅れ工事契約を解除、八戸市が損失2253万円
青森県八戸市が発注した下水道工事で、国道の占用許可手続きが大幅に遅れて工事契約を解除した問題について、市は2022年3月3日、経緯と再発防止策を公表した。市は契約解除した施工者2社に、計2253万円の損害賠償を支払っている。
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京都市土砂条例に弁護士会が異議、“盛り土新法”に通じる問題
土地の不適切な埋め立てを防ぐ京都市の土砂条例に、地元の弁護士会が異議を唱えている。条例の許可を要する対象の埋め立て規模が大きいため、規制がかからない危険な行為が横行する恐れがあるからだ。政府が2022年の通常国会で成立を目指す“盛り土新法”にも通じる問題だ。
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普及する「発泡アスファルト」、大林道路が全国で製造展開
大林道路と田中鉄工(佐賀県基山町)は、発泡させて体積が10~20倍程度に増える「フォームドアスファルト」を、一般のアスファルトと同じ手順で製造するのに成功した。水を加えるだけなので、合材の単価は従来と同等程度だ。施工性の改善や製造時の二酸化炭素の排出量削減、再生合材の品質向上などに効果がある。
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熟練運転手の操縦を再現する自動運転ダンプ、大成建設とコマツが開発
大成建設とコマツは、土砂の運搬から積み下ろしまでを自動化したダンプトラック「T-iROBO Rigid Dump(ティーアイロボ・リジッドダンプ)」を共同で開発した。熟練ドライバーが乗って一度操縦すれば、車両が通過した位置や方位、速度などを記録して同じルートを走行できる。2022年1月に三重県の実…
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建設業をむしばむ過剰債務、コロナ破綻が増加の勢い
政府の資金繰り支援などで歴史的な低水準にある建設業の倒産が増勢に転じる恐れが強まってきた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府系金融機関などの実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が本格化し、過剰債務を抱える企業の経営が立ち行かなくなるとみられる。
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目指すは従事者半減、アスファルトプラントを丸ごとデジタル・自動化
大林道路は田中鉄工(佐賀県基山町)と共同で、アスファルト合材プラントの業務のデジタル化や設備の自動化を目指して、大分県にある2つのプラントで、第1弾となる設備改修を完了した。今後も改修を続けて、2023年度内に全国の拠点プラントへデジタル化などを実装していく。
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外環道の陥没区間で工事差し止め、掘進を再開した大泉側は除外
陥没事故を起こした東京外かく環状道路(外環道)の大深度地下トンネル工事を巡り、住民らが工事中止を申し立てた仮処分について、東京地裁は2022年2月28日、陥没地点を含む一部区間の工事を差し止める決定をした。2月25日に大泉ジャンクション(JCT)付近で再開した掘進作業などの中止については却下した。
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「3%賃上げ」で国交省と建設業4団体が合意、大手4社も足並み
建設業界で、政府が要請する「3%賃上げ」の流れが強まっている。国土交通省と建設業団体は、技能労働者の賃金の約3%引き上げを目指すことで合意。鹿島、大成建設、大林組、清水建設の上場大手4社も、従業員の賃金の3%以上引き上げで足並みをそろえた。
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指名停止“乱用”で渋川市の敗訴確定、二審で賠償額が5倍に
運動場の擁壁が施工不良で倒壊したとして、群馬県渋川市から指名停止措置を受けた施工者が損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁は2022年2月16日、100万円の支払いを市に命じた前橋地裁の一審判決を変更し、賠償額を520万円に増額する判決を出した。
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淀川左岸線の事業費が1000億円増、近隣の被害受け工法変更
大阪市が阪神高速道路会社と進めている「淀川左岸線」2期工事の事業費が、従来よりも1000億円ほど増え、約2900億円に上る見通しであることが分かった。周辺宅地への影響を防ぐために地盤改良工法の変更が必要となり、費用が増大した。