ニュース解説:土木
目次
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規則に反してダム大量放流、浸水被害を拡大か
西日本豪雨で緊急放流した広島県呉市の野呂川ダムで、合計8時間にわたりダムの操作規則に違反して流入量を上回る量を放流していたことが分かった。ダムを管理する広島県は8月2日に有識者検討会を設置し、ダム下流の浸水被害を拡大させた可能性や、操作の是非について検証を始めた。
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19年度の建設投資は2.5%減、18年度見通しは上方修正
建設経済研究所と経済調査会は、2019年度の建設投資が55兆900億円と、前年度比で2.5%減少するとの見通しを公表した。民間の建設投資が前年度と同水準で推移する一方、政府建設投資は前年度を下回る水準になるとみている。
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「日本の道路工事に革新的な動き」、自己治癒型舗装の開発者に聞く
アスファルト舗装に生じたひび割れをIHヒーターと同じ原理で加熱して修復する自己治癒型のアスファルト舗装。この技術を生み出したオランダ・デルフト工科大学のエリック・シュランゲン教授に、開発の経緯を聞いた。
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携帯電話の位置情報で交通調査、パシコンとソフトバンク
パシフィックコンサルタンツはソフトバンクと共同で、来年春から交通インフラの整備や管理に関わる自治体や民間企業向けに、携帯電話の位置情報を利用して人の流れを把握する「次世代交通調査サービス」を始める。
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雨水幹線の漏水で道路陥没、原因は西松建設の止水ミス
昨年11月に京都府向日市の国道が陥没した事故は、西松建設を代表とするJVが地下で進めていた雨水幹線の建設工事で止水対策にミスがあり、地下水と土砂がトンネル内に流入したことが原因だったことが分かった。
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現場所長が安全措置の不備で墜落死、三陸道の橋梁工事
国土交通省東北地方整備局は、三陸沿岸道路の橋梁の建設現場で施工者の富士ピー・エスの現場代理人が墜落死したことを受け、同社を7月20日から8月2日まで2週間の指名停止とした。
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コンクリートの流動性を1時間程度キープする現場添加剤
戸田建設はフローリック(東京都豊島区)と共同で、アジテーター車のドラムに投入してかくはんするだけで高い流動性が得られる、半固形タイプの高機能性流動化剤を開発した。締め固め作業を低減でき、コンクリート打設の生産性向上につながる。
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「豆腐の絞り汁」が汚染土壌を無害化、浄化剤コストは半分に
鴻池組と不二製油(大阪府泉佐野市)は共同で、豆腐の絞り汁などの「大豆ホエー」を活用して、揮発性有機化合物(VOC)の汚染土壌を無害化する技術を開発した。天然由来の浄化促進剤として、大豆ホエーを市販の浄化用薬剤の半額程度で販売することを目指す。
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保存約束した「島」と知らず掘削、防潮堤工事中断
宮城県が塩釜漁港で進めている防潮堤工事で、掘削した岩山が30年ほど前の漁港埋め立て時に保存を約束した島の一部だったことが市民の指摘で分かった。県は工事を中断し、残った部分の保存方法などについて検討している。
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枕木や電柱を再利用した橋、予想以上の劣化で通行止め
京都府城陽市の市道で、補修工事を目前に控えた橋梁が想定以上の劣化のために急きょ、通行止めになっていたことが分かった。3年前の定期点検で劣化を確認したものの、緊急対応は必要ないと判定していた。鉄道の枕木や電柱などを再利用した異例の構造のため、補修時期の判断が難しかったとみられる。
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“三刀流”のマシンでトンネルの地山補強を機械化
鹿島と古河ロックドリル(東京都中央区)は、NATM工法で地山補強に用いるロックボルトの一連の施工を機械化するシステムを共同で開発した。3本のブームを持つドリルジャンボを改良。削孔からモルタルの注入、ロックボルトの挿入までを1台でこなす。
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半数の自治体が引き上げ対応、入札の最低制限価格
公共工事の入札で設定する最低制限価格などを、2017年4月に引き上げられた中央公契連の最新モデルに準拠する自治体が、県庁などのある市で増えていることが全国建設業協会の調査で分かった。
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既製コンクリート杭の根固め強度を1時間で判定
清水建設は、既製コンクリート杭を支持層に固定するためのソイルセメントの根固め強度を、1時間程度で判定する手法「CW-QUIC」を開発した。費用は従来の圧縮試験と変わらない。
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リニア関連工事で問題続出、斜面崩壊の次は「野鳥消失」
昨年末に長野県中川村の斜面崩壊の原因となったリニア中央新幹線関連のトンネル工事で、新たな問題が発生した。現場付近の橋で毎年営巣している県天然記念物の渡り鳥「ブッポウソウ」が、今年は飛来した後に姿を消した。
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羽田空港の舗装剥離、猛暑で水分が膨張し劣化か
羽田空港B滑走路で7月16日に見つかったアスファルト舗装の剥離は、猛暑で内部の水分が膨張して劣化を促したことが原因の可能性があることが分かった。空港を管理する国土交通省航空局が17日に明らかにした。
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コンクリートに自由な絵柄を“彫刻”する特殊シート
凸版印刷は、型枠の底に敷くだけでコンクリートなどの表面に彫刻を施したような立体的な模様が付けられるシート「ベトンフィット」を開発した。意匠性の高い建物の外壁のほか、公園や橋、歩道の景観材料などの幅広いコンクリート製品に使える。
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幅2m未満の歩道は無電柱化、国交省が運用ルール
国土交通省は、今年4月に「無電柱化推進計画」を策定したのを受け、対象とする道路の基準などを示した運用ルール案をまとめた。今後、自治体向けに無電柱化の指針を定める考えだ。
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清水建設が掘削ミス、中心のずれ放置し不具合拡大
南阪奈道路のトンネルで中心線が設計位置からずれるなどした問題で、施工者の清水建設は覆工コンクリートの打設前にずれを把握しながら、適切に対応していなかった。覆工コンクリートを撤去し、中心線を是正したうえで打設し直す。
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劣化知らずの光ファイバーでコンクリートのひずみを監視
三井住友建設は、コンクリート構造物の表面に光ファイバーセンサーを固定してひずみの分布を測定するモニタリングシステムを開発した。鉄や樹脂といった劣化しやすい素材を使わない固定方法を採用しており、数十年取り付けたままにできるのが特徴だ。
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[特報]“IHヒーターで治す”舗装を日本へ、會澤高圧コンクリートが導入
IHヒーターと同じ原理で加熱するだけで、損傷したアスファルト舗装が健全な状態に戻る――。そんな自己治癒型のアスファルト舗装の技術が、今後1、2年のうちに日本で実装されそうだ。