ニュース解説:土木
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北海道新幹線の事業費増大か、資材高騰や追加工事で試算し直し
2030年度の開業を目指して工事が進む北海道新幹線の札幌延伸で、資材価格の高騰や追加工事の発生などによって事業費が膨らむ恐れが出てきた。国土交通省は費用を試算し直す考えだ。同省が12年に認可した事業費1兆6700億円を変更する可能性がある。
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外環道陥没事故の地盤補修は23年春以降、東日本高速が工事概要を公表
東京外かく環状道路(外環道)の大深度トンネル工事に伴う地上の陥没事故で、発注者の東日本高速道路会社は緩んだ地盤の補修工事を2023年春以降に実施する。早ければ22年11月に、プラント設備や材料の輸送管の設置に着手する。東日本高速が22年10月7日、東京都調布市内で開催した住民説明会で工事の概要を公…
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パシコンのコンサル登録を60日間停止、富山市の官製談合で社員有罪
国土交通省関東地方整備局は、富山市の官製談合を巡る訴訟でパシフィックコンサルタンツ社員の有罪判決が確定したことを受け、同社の建設コンサルタント登録を2022年10月21日から60日間停止する。この談合事件で当時の取締役と従業員の2人が有罪となったGK設計(東京・豊島)は、登録を22年10月21日か…
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建設現場の遠隔臨場で時間削減、施工者の9割が実感
建設工事の段階確認や材料確認などを発注者の監督職員が現場から離れた場所で実施する「遠隔臨場」について、施工者の9割が時間削減の効果を実感していることが国土交通省関東地方整備局の調査で明らかになった。関東地整が2022年10月7日に調査結果を公表した。
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自動運転を支援する「塗料のレール」、常時運行のシャトルバスで実証
日本ペイントホールディングス傘下の塗装メーカー、日本ペイント・インダストリアルコーティングス(東京・品川)は、路面に塗って自動運転車の走行を支援する塗料「ターゲットラインペイント」を開発し、常時運行する自動運転バスの走行ルート上に初めて施工した。これまで数日間の実証実験に使ったことはあったが、長期…
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鉄鋼スラグ使った改質土を海底で原位置施工、JFEスチールなどが開発
JFEスチールは、軟弱な海底地盤の表層を原位置で改良する「カルシア改質土のバッチ式原位置混合工法」を共同開発した。鉄鋼スラグが原料のカルシア改質材と海底地盤の粘土などとを混合する「カルシア改質土」の施工を、密閉式バケットによって海底で完結する。2022年7月から2カ月間、広島港沖で実証実験を実施し…
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「設計ミス」巡る訴訟で大阪府の過失を8割から4割へ、阪神高速大和川線
阪神高速大和川線のたて坑工事を巡り、設計ミスで工費が増大したとして、発注者の大阪府が設計者の日本シビックコンサルタント(東京・千代田)に約61億9000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が2022年9月29日、大阪高裁であった。高裁は、府と設計者の双方に過失があったと認めたうえで、府の過失割合…
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水管橋も5年ごとの点検を義務化へ、和歌山の崩落事故受け対策強化
2021年10月に和歌山市で起こった六十谷水管橋の崩落事故を受け、厚生労働省は全国の水管橋について5年に1回以上の定期点検を義務付ける。22年度内の省令改正を目指す。ドローンなどデジタル技術を用いた点検手法も認める。22年9月27日に開いた有識者検討会で方針を示した。
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土砂の確保量を見誤り着工延期か、横須賀市の新埠頭整備
神奈川県横須賀市が横須賀港で進める新たな埠頭の整備事業が、想定していた土砂の量を確保できず遅れる見通しとなった。埋め立て土砂の投入を始める予定の2029年度に必要量を確保できないと分かったからだ。最短で25年度に予定していた着工の見通しが立っていない。
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パシコン社長を引責辞任させたプロポーザル方式の闇
パシフィックコンサルタンツの重永智之前社長が富山市の官製談合事件で引責辞任したことを受け、専務だった大本修氏が2022年10月1日、新社長に就任した。この事件では、同社などと結託した市職員が、プロポーザルの参加要件を恣意的に緩和させたり、競合他社を蹴落としたりしていた。このような“えげつない”不正…
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常陸太田市が下水道不具合で全職員減給か、採決は延期
茨城県常陸太田市の発注ミスで下水道施設の改修が必要になった問題で、市は費用の一部を賄うため全職員の減給を検討している。しかし、減給に必要な条例の改正案に対し、市議会は2022年9月21日、採決せず継続審査すると決定した。
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東京メトロ冠水の原因は清水建設のミス、下水道工事の現場から流入
東京メトロ東西線の線路が台風14号の影響で冠水し、約8時間にわたって運行を停止したのは、清水建設が周辺で進めていた下水道工事に原因があることが分かった。工事でミスが重なり、線路に雨水が流れ込み、信号に不具合が生じた。
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建設会社社員の半数が年360時間超の時間外労働、日建連調査
日本建設業連合会は、会員企業に所属する労働者のうち非管理職の半数近くが2021年度に年間360時間を超える時間外労働をしていたと明らかにした。24年度に建設業で始まる残業規制で定められた上限時間の原則を上回る。約3割は、年720時間以内といった特例基準も超過していた。22年9月21日に調査報告書を…
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中小建コンのBIM/CIM活用を促進へ、用途を絞って発注
国土交通省北陸地方整備局は、中小建設コンサルタント会社への普及が遅れているBIM/CIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング/コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の活用促進に向けて新たな発注方式を試行している。3次元モデルとコスト情報のひもづけといった付加的な要求を最小限…
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擁壁が基礎ごとずり落ちる、復旧直後に再崩落した乗鞍スカイライン
岐阜県高山市の山岳道路「乗鞍スカイライン」が災害復旧後の全面開通を翌日に控えて再び崩れた問題で、垂直擁壁や補強土壁が基礎ごとずり落ちていたことが分かった。道路を管理する県が2022年9月22日、専門家らでつくる対策検討会の初会合で崩落の詳細を明らかにした。
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2種類の舗装を組み合わせて雨水流出とヒートアイランド現象を一挙に解決
大林組と大林道路は、異なる2種類の構造の舗装を組み合わせ、一方の舗装でためた雨水を、もう一方で蒸発させる多機能舗装「ハイドロぺイブライト」を共同で開発した。貯水によって雨水の流出を抑制し、蒸発による路面温度の低下でヒートアイランド現象の緩和を見込める。
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石木ダム工事差し止め訴訟で住民敗訴確定、最高裁が上告棄却
長崎県と同県佐世保市が推進する石木ダム建設事業を巡り、反対する住民らが県と市に工事の差し止めを求めた訴訟で、最高裁は2022年9月16日、住民側の上告を退ける決定をした。これによって、住民側の敗訴が確定した。
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指名入札は「地元受注に効果あり」、福島県が本格導入を検討か
談合防止を目的に廃止した指名競争入札が、福島県で本格的に復活する可能性が高まってきた。県が一般競争入札の問題点と認識する地元企業の受注率の低さが、2020年度から試行している指名競争で「改善」されたからだ。県は、22年9月6日に開いた入札制度等監視委員会(委員長:伊藤宏・福島大学名誉教授)で、指名…
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国交省職員が建設会社に見返り要求、秘密情報の提供を働きかけ
国土交通省の職員が入札に関する秘密情報の漏洩を図った事件で、働きかけた建設会社に対し、見返りとして報酬を要求していたことが判明した。入札への参加が見込まれると考えて職員が接触した相手は15者に上る。国交省関東地方整備局が2022年9月21日、内部調査の結果を公表した。
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長野県が議会の議決経ずに工費増額、労働者や資材の調達難で
2019年の東日本台風(台風19号)で被害を受けた河川の復旧工事で、長野県が必要な県議会の議決を経ずに工費増額の変更契約を締結していたことが分かった。労働者や資材の調達難で契約変更が重なり、工費が議決対象の5億円以上に達していたことを見落とした。