ニュース解説:土木
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「震災の教訓」浸透せず、四国で水門操作規則の未整備相次ぐ
水門や陸閘(りくこう)などの操作員が多数犠牲になった東日本大震災を教訓に、海岸法が義務付けた操作規則の策定を怠っている自治体があることが総務省の調査で分かった。
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営業所専任技術者の常勤義務を緩和、コロナ禍の特例措置を恒久化
国土交通省は、営業所での常勤を義務付けている専任技術者のテレワークを正式に認める。これまで、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特例措置として導入していた。経営業務管理責任者らの常勤義務も同様に緩和する。
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“突っ張り棒”がなくても自立する新土留め工法、掘削期間を3割減
鹿島は、開削工事の土留めに切り梁など支保の設置が不要となる新工法「頭部固定式二重土留め工法」を開発し、土木工事に適用した。開口部に支障物がないため、掘削や躯体構築が円滑に進み、従来の切り梁を使った工法と比べて掘削期間を3割程度削減できた。
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「危険な踏切」が全国に2600カ所、総務省が解消を勧告
遮断機も警報機もない「第4種踏切」が全国で約2600カ所残っていることが総務省行政評価局の調査で明らかになった。同省は2021年11月30日、事故の発生頻度が高いこれらの踏切の解消に取り組むよう国土交通省に勧告した。
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脱炭素型の下水処理、約50%の温暖化ガス削減を目指す
大成建設は、下水からメタンを効率的に生成する脱炭素型の下水処理技術を開発した。現在、国内の下水処理場の多くで導入している活性汚泥法と比べて、水処理にかかる消費エネルギーを約30%、処理に伴い発生する余剰汚泥量を約70%、それぞれ削減できる。
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東海北陸道のジョイントが設置後13年で破損、車両損傷
岐阜県郡上市の東海北陸自動車道下り線で2021年11月16日、橋梁伸縮装置(ジョイント)が一部破損し、走行車両を傷付ける事故があった。中日本高速道路会社は利用者からの通報で事故を把握し、同日中に発表した。
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車が転落した深さ6mの穴、破損した排水管から土砂流出
北海道三笠市の道道「岩見沢桂沢線」が陥没し、乗用車が転落した事故は、現場の地下に埋まっていた古い排水管からの土砂流出が原因である可能性が高いと分かった。排水管には複数の破損が確認された。市道から道道に変更された1976年以前に造られたもので、埋設位置などを示す資料は残っていなかった。
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点差つかない総合評価入札に「ICT加点」、国交省が導入
国土交通省は、直轄土木工事の総合評価落札方式で、入札参加者のICT(情報通信技術)活用の評価に取り組む。技術提案評価型(S型)の一部で評価項目に取り入れる他、施工能力評価型(I型)の一部でも施工計画に記述を求める。ICT活用による生産性向上を推進し、技術評価に差がつきにくい状況の改善を目指す。
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20年続く神戸川の沈下被害、200億円かけて対策工事
国土交通省は、島根県出雲市内の神戸(かんど)川沿いに築いた堤防の影響で20年以上続く周辺の地盤沈下に対策を講じる。地盤が想定よりも軟弱だったため、堤防の重みで沈下していた。堤防と宅地の間に長さ45mの鋼矢板を打設して、周辺の「連れ込み沈下」を防ぐ。
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防波堤が前触れなく一夜で倒壊、3年前の調査で「問題なし」
宮城県気仙沼市の気仙沼漁港で、防波堤が延長50.3mにわたって一夜にして海上から消えた。防波堤を支える鋼管が折れ、海中で倒壊していた。県が2018年に実施した老朽化調査では、健全度に問題はないと判定していた。
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橋梁工事で足場板600枚流出、大雨による河川増水が原因か
高知県内の橋梁工事で河川敷に仮置きしていた足場板が600枚余り河川に流れ出るトラブルがあった。工事を発注した国土交通省四国地方整備局土佐国道事務所が4日間かけて捜索したが、全ては回収できなかった。
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「大手」受注回復でも「中小」苦戦、資材価格高騰で先行き不安も
2021年度上半期(4~9月)は、建設会社の2極化が進んだ。大手企業で建設工事の受注が回復した一方、中小・零細企業では新型コロナウイルスや後継者不足の影響で経営破綻が相次いだ。同期に進行した資材価格の高騰は、業界全体に暗い影を落としている。
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インフラのさびや塩分を高出力レーザーで除去、22年度のレンタル目指す
トヨコー(静岡県富士市)は高出力のレーザービームを照射して橋梁のさびや塗膜、塩分などを除去する機器「CoolLaser(クーレーザー) G-19」を開発した。レーザーの出力を従来の2倍の6kWに高め、従来機に比べて3~4倍の施工速度を実現した。2022年春以降に、施工会社向けのレンタルを目指す。
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指名競争の絞り込みを機械的に、北海道開発局が元所長逮捕受け再発防止策
国土交通省北海道開発局は出先事務所の元所長が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されたことを受け、指名競争入札の手続きを見直す。指名先を絞り込む評価基準の恣意的な運用が特定の会社の排除につながったとみて、会社の業務実績や成績評定などに基づいて機械的に決める仕組みを設けた。
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「CCUSの利点が分からない」、川崎市の企業の8割活用せず
国土交通省が旗を振る建設キャリアアップシステム(CCUS)への地場建設会社の抵抗感が根強い実態が川崎市の調査で明らかになった。
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通信線破損で相次ぎ指名停止、後絶たぬ「確認不足」「思い込み」
地下に埋設された通信ケーブルを工事中に損傷して、発注者から指名停止を受けるケースが続出している。最近では2021年10月から11月にかけて、高松市内の電線共同溝工事で光ケーブルを破損した前田道路と、金沢市内の排水側溝の付け替え工事で光ケーブルを切断した鹿島道路が、それぞれ国土交通省から1カ月の指名…
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民間企業の防災行動計画をピンポイントで提示、清水建設が開発
清水建設は民間企業の事業所や工事現場などにおける防災行動計画の作成と運用を支援するシステム「ピンポイント・タイムライン」を開発した。風水害の気象情報をタイムリーに共有して、その場で必要な防災対策をSNS(交流サイト)などで利用者に自動で通知する。
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技量不足で避難情報発令に二の足、市町村の6割が「判断難しい」
市町村の6割以上が豪雨の際に避難情報の発令が難しいと感じていることが、内閣府の調査で分かった。災害が起こらずに空振りになる懸念を抱えている市町村も6割を超えた。
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リニアのトンネル工事でまた崩落事故、作業員けが
リニア中央新幹線のトンネル工事で再び崩落事故が起こった。2021年11月8日午前8時20分ごろ、長野県豊丘村の掘削現場で切り羽の肌落ちが発生し、逃げ遅れた作業員1人が右足を負傷した。リニア工事では、21年10月27日に岐阜県中津川市の現場で2人が死傷する事故が起こったばかり。
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リニア工事で残土に産廃混入、トンネルの吹き付けコンクリ片か
リニア中央新幹線日吉トンネル(岐阜県瑞浪市)の建設工事で発生した土砂に産業廃棄物とみられるコンクリート片が混入していた。吹き付けコンクリートの破片が入り込んだ可能性があるという。岐阜県が2021年10月27日に発表した。