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 米ブルームバーグ(Bloomberg)は2018年2月21日、米アップルがコバルトの採掘企業と複数年にわたる契約を直接結んだと報じた

 コバルトの価格はここ1年半で3倍に高騰しており、その需要は高まっている。アップルは世界的に供給不足に陥る恐れがあるコバルトを自社製品向けに確保することを目指している。

 この動きは、コバルトから作られる重要パーツを採用する企業にとって、決して珍しいことではない。独BMWや独フォルクスワーゲン(Volkswagen)といった自動車メーカーもコバルトの調達に動いており、これらの顔ぶれを見ればアップルのようなスマートフォンメーカーがどのような業種と対峙しているのかが分かる。

コバルトはバッテリーに必要な鉱物

 コバルトは元素記号「Co」、原子番号「27」の元素で、多くの人が耳にしたことがあるだろう。単体ではほとんど用途がないと言われているが、化合物として様々な産業向けに利用されている。近年の価格上昇の大きな要因となっているのは、スマートフォンのリチウムイオンバッテリーに使われるコバルト酸リチウムだ。

 コバルトは、アフリカのコンゴ民主共和国が産出量の5割以上を占め、このほかカナダ、中国、ロシア、ザンビア、オーストラリアなどが主な産出国だ。コバルト以外の材料を使ったリチウムイオンバッテリーも開発されているが、依然として7割がコバルトによって生産されている。

 コバルトはスマートフォン向けの利用が25%を占める。アップルは多くのバッテリーを利用する企業の1社であり、結果的にコバルトの使用量も世界最大規模と言える。昨今、電気自動車の普及などによって、より多くのバッテリー需要が見込まれるなか、今回の報道は「アップルが必要な資源確保に動いた」と見ることができる。

バッテリーの奪い合いは既に始まっている

 他の産業との間でバッテリーの奪い合いが起こっているのは、スマートフォンだけではない。モバイルバッテリーに内蔵するリチウムイオン2次電池も数年前から自動車産業との間で奪い合いの状態が続いている。