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 米アップルはiPhoneを投入した当初から長らくGoogleマップを採用してきたが、2012年から独自の地図アプリに切り替えた。しかし、地図の精度向上に時間がかかり、スティーブ・ジョブズ氏からCEO(最高経営責任者)を引き継いだティム・クック氏がユーザーに謝罪した場面もあった。

 もっとも2018年現在、米カリフォルニア州サンフランシスコ周辺エリアで暮らす限りにおいて、アップルの地図に不満はない。同エリアで暮らす人々は自動車での移動が基本となり、アップルの地図アプリが示すナビゲーションの到達時間は最も手堅い予測だと言われる。待ち合わせの友人に伝える時間はアップルの地図アプリで調べておき、自らはGoogleマップでより果敢で時間を短縮できそうなルートを調べる、といった活用も進んでいる。

 そんなアップルの地図が今秋からさらに良くなるようだ。米TechCrunchによると、アップルは地図サービスを世界最高のものにすべく、刷新を計画しているという。

 これまでアップルは、米国においてOpenStreetMapやオランダのTomTomなどサードパーティーを活用して地図を構築してきた。これとは別に、地図データを取得するアップルの自動車が世界各国で走り回っていることも報告されていた。アップルはiOS 12で、独自に収集した地図データの活用を始めるという。

自動運転など多くの可能性

 地図は、場所やルートの表示・検索といった使い方はもちろん、より多くのことを実現する基礎的なデータとなる。

 昨今、注目されるのは自動運転だ。自動運転の実現にはナビゲーションの情報に加え、走行車線の情報や信号、横断歩道の場所など、より細かな道路の情報が不可欠。さもなければ、安全な運転を担保できなくなる。特に都市部では、自動運転の実現を目指す企業による個々の情報収集だけでなく、自治体がこうしたデータを提供する状況が早晩作り出されていくことになるだろう。

 アップルはシリコンバレーエリアにおける社員のキャンパス間の移動に、独フォルクスワーゲンのバンを利用した自動運転を実現しようとしていると伝えられる。

 このほか、地図は様々なサービスの起点となる。iOS 11では地図アプリから「Uber」や「Lyft」といったライドシェアサービスを呼び出したり、「Yelp」の店舗レビューを表示させたりする連携を開始。他のアプリの機能や情報を呼び出す仕組みを用意した。またアップルは地域の店舗やサービスに対してiMessageを解放し、メッセージアプリで予約や顧客サービスを実現できるようにする「Business Chat」を提供し始めた。

 Googleマップと同様、施設内の地図についても充実を図っている。施設内で歩行ナビを実現するには、地図の充実だけでなく、端末の位置をより正確に特定する技術が不可欠。このように地図には様々な可能性があり、これから取り組まなければならないことも多く残っている。