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 新型コロナウイルスの感染拡大で、ついに東京オリンピック・パラリンピックが延期に追い込まれた。日本でもオーバーシュート(感染爆発)の可能性は消えておらず、気の抜けない、そして気の重い日々が続く。ただもっと気の重いことがある。今回の新型コロナの脅威が2段構えになっている点だ。

 新型コロナの脅威の第1波はもちろん感染の拡大だ。そして第2波は世界レベルでの景気後退である。「リーマン・ショックを超える深刻な不況が訪れる」といった物騒な予測も出てきているから、この第2波の脅威も恐ろしい。「日本の失われた20年」の再来も起こり得る。

 「いくら何でもそれはオーバーだろ」と笑う読者も多いと思うが、私は本気で不安に駆られている。リーマン・ショック級、あるいはそれを超える大不況が到来したら、それこそあっという間に「失われた20年リターンズ」となりかねない。それどころか、失われる期間が20年では済まず100年、200年と続く恐れだってある。

 なぜそこまで危機感を持つかと言うと、新型コロナの第2波の脅威、つまり景気後退によって新たな「感染」が発生しそうだからだ。もちろんウイルスの類いのような生物的感染のことではなく、一種の社会的感染と言ってよい。愚かな人たち、特に日本企業の愚かな経営者の間でオーバーシュートしたら、それこそ日本の未来はお先真っ暗だ。

 社会的感染が懸念されるのは「デジタルトランスフォーメーション(DX)は所詮バズワードでしたな。わっはっは」病である。誰か1人でも愚かな経営者が罹患(りかん)すれば、日本企業に一気に広がり、たちまちオーバーシュートに至る恐れがある。何せ経営オンチの社長とITオンチのIT部長が最悪タッグを組む日本企業はごろごろあるからだ。罹患して「やはりそうでしたか。わっはっは」と笑う経営者がネズミ算式に増えかねない。

 もはやくどくどと説明する必要がないかと思っていたが、「今のデジタル革命はかつての産業革命に匹敵する大変革期」との認識があやしい経営者は多い。そんな時代認識を持っていないから、DXについても「他社がやっているから、我が社も後れを取ってはならない」といった程度のノリで取り組んでいるケースも多いはずだ。だから一気に感染が広がる可能性がある。感染が分かったら、何としても拡大を抑え込まなければならない。