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 新型コロナウイルスの感染拡大は未曽有の大災害となり、ついに2020年4月7日に東京や大阪など7都府県に緊急事態宣言が発令された。そんな状況下ではビジネス活動は大きな制約を受ける。小売業や飲食業のようにビジネス活動が停止に追い込まれた産業はもちろん、あらゆる産業で営業や資材調達などが滞り、働く人の多くは自宅待機か在宅勤務を余儀なくされている。

 にもかかわらず、である。緊急事態宣言が出されても、他と違ってビジネス活動にあまり制約を受けないように思われる産業がある。いや、本来は制約を受けるはずだが、あえてスルーしている産業と表現したほうがよい。言うまでもなく、それは我らがIT産業、人月商売のIT業界である。

 前回の「極言暴論」の記事は大きな反響があった。緊急事態宣言が発令される直前の話だが、システム開発や保守運用を担う多くの技術者が毎日出勤して、集団で作業を進めている実態を暴いたからだ。「暴いた」と言ってもTwitterで技術者の皆さんに実態を教えてもらっただけだが、新型コロナ対策を取ろうとしない現場の一端を垣間見て、IT業界をよく知る私ですら腰を抜かしそうになった。

 記事が出た後も、技術者の皆さんからの「現場報告」が続いている。例えば「いまだに200人がびっしり埋まった3密のシステム開発現場で作業している」という話を教えてもらった。改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づいて緊急事態宣言が発令され、「3密」つまり「密閉・密集・密接」を避けるべしと強く要請されている。にもかかわらず、これはいかなることか。単に人でなしの所業というだけでなく、法律の根拠がある自粛要請すらあっさり無視する行為ではあるまいか。

 読者の中には「風評被害になるから、あまり書き立てないでくれ。少なくても当社(SIer)はそんなことをしていない」と苦情を言ってくる人もいる。もちろん、下請けITベンダーの技術者も含めチームメンバー全員をテレワークに移行させたSIerがあると知っている。だが、とんでもないITベンダー、そしてとんでもない客がわんさかいる業界だ。何と言われようと断固追及させてもらう。