全5213文字
PR

 この「極言暴論」では2週にわたって「3密」開発の問題を追及してきた。新型コロナウイルスの感染が拡大し緊急事態宣言が発令されても、「密閉・密集・密接」環境でのシステム開発をやめない。ITの仕事なのだから真っ先にテレワークを導入すべきだし、できないのならシステム開発を即座に中断すべし。そんな極言暴論らしからぬ正論調の主張を述べてきた。

 だが3密開発は依然として続いている。改めてTwitterを使ってシステム開発などの現場にいる技術者に聞いてみると、さすがにテレワーク導入や開発中断に踏み切った現場が増えているようだ。ただ特に金融系や公共系のシステム開発では、ITベンダーの多数の技術者が相変わらずぎゅうぎゅう詰めの3密環境で作業をこなしている。そんな報告が数多く寄せられている。

 こうした3密現場の状況については、過去2回の記事とかぶるので、今回はあえて触れない。どういう状況なのかは、その2本の記事を参照していただきたい。今回の記事では、3密開発を放置する次の面々のいいかげんさについて言及する。面々とはユーザー企業(そして官公庁)のCIO(最高情報責任者)やIT部長、SIerの経営者らである。

 「おいおい、ユーザー企業の経営者や下請けITベンダーの経営者のいいかげんさに触れないのかよ」と不審がる読者も多いと思う。後で詳しく述べるが、実はユーザー企業の経営者を外しているのには大きな意味がある。一方、下請けITベンダーの経営者については、もはや論外である。いわゆる「人売り」業の経営者のいいかげんさは指摘するまでもない。しかも彼らは客の要求次第で何とでもするので、今回の問題の核心ではない。

 問題は「ホワイト企業」を自任しているはずの大手ユーザー企業やSIerが、技術者の健康を脅かしクラスター(集団的感染)を発生させるリスクを放置する「反社会的な行動」を取るのはなぜか、である。で、理由は明らかなのだ。ユーザー企業ならCIOやIT部長、SIerなら経営者があまりにいいかげんで、やるべき事をやっていないのだ。

 もちろんユーザー企業のCIOやIT部長、SIerの経営者、そして下請けITベンダーの経営者の中にも、新型コロナ禍という非常事態に対して適切に対応できている人もそれなりにいる。ただ、これから書くようないいかげんな面々は、ユーザー企業やIT業界に多数いるはずだ。もし、あなたが該当するようであれば、即刻、悔い改めてもらいたい。もし、あなたのボスがそうならば、難しい時期だが転職を考えたほうがよいだろう。