
木村岳史の極言暴論!
目次
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信じた技術者が失意のどん底に、客のIT部長の愚かな本音とは
あるITベンダーの技術者から以前、これ以上ないぐらいの“悲話”を聞いたことがある。この人には申し訳ないが、そのエピソードを話すと、いつでもどこでもばか受けする。私にとってはスペシャルなネタとなっている。
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何でも他人のせいにする技術者よ、もういいかげんにしなさい!
技術者の中には被害者意識の塊のような人が多い。ユーザー企業の技術者なら「うちの社長がITを分からないから、IT部門の重要性が理解できない」、ITベンダーの技術者の場合は「客は無理難題ばかりを押し付けてくる」と嘆くのが定番だ。
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「CIOなんて貧乏くじだよ」、大企業の役員が真顔で語った不都合な真実
「CIO(最高情報責任者)なんてアルファベット3文字でかっこよさそうだが、あれはねぇ、役員にとっては貧乏くじだよ」。ある大企業でCIOではない役員に真顔で言われて面食らってしまった。
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たそがれる人月商売、優秀な技術者が片っ端から辞めていく
最近、大手ITベンダーの経営幹部に会うと、決まって次のようなぼやきを聞かされる。「優秀な技術者が相次いで辞めてしまってね。我が社の将来を背負って立つような人材ばかりだから極めて深刻なんだよ。懸命に引き留めるのだが、とても翻意してもらえない」。
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負の遺産、バブル世代がいなくなればSIerは変われるか
まもなく元号が令和に変わる日本は今、過去を振り返り未来に思いをはせる節目の時期を迎えている。実は、ITベンダーが抱え込んでいる「負の遺産」にも節目となる時期が訪れている。負の遺産とはかつて大量採用したバブル世代の社員である。
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気色が悪い「顧客に寄り添う」をやめないSIerに再度警告する
人月商売のITベンダーは「顧客に寄り添う」というフレーズが大好きだ。私からすると極めて気色悪い言葉なのだが、SIerだけでなく下請けITベンダーの経営幹部も口にするから、もはやIT業界のアイデンティティーと言ってよい。
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そろそろCOBOL絶滅のシナリオを考えようか
いやぁ、腰が抜けそうになった。日経 xTECHの調査で「社内にCOBOLを使ったシステムがある」との回答が6割を占めた。私は人月商売のベンダーから目の敵にされているほど「反COBOL」の急先鋒(せんぽう)だから、この結果は衝撃的だった。
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「ソフトウエアにカネを払えるか」と言ったIT部門、今も変わらず
特にIT部門にいえることだが、日本企業のソフトウエアに対する理解が「ソフトウエアにカネを払えるか」と言い放っていた頃と、さほど変わっていないと気が付いた。IT部門に所属する読者から「ソフトウエアを一番理解している我々をつかまえて何を言う」と怒られそうだが、紛れもない事実である。
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技術者を甘やかす日本企業の愚かさ、人材不足で露見
転職支援会社の人と酒を飲んだとき、その人が「日本の企業は技術者を甘やかし過ぎのような気がする」と言い出した。意味不明なのでポカンとしていると、その人は話を続けた。何でも「技術のことだけをやっていればよい」との条件で技術者を募集する企業が増えているらしい。
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恐るべき人月商売の感染力、現場のお役立ちツールと化す日本製ERP
ERPを日本語では「統合基幹業務システム」と表記する。この表記を広めたメディアの責任でもあるが、私は常々、とんでもない言い換えだと思っている。ERPの本質を誤解させる恐れがあるからだ。ところが最近、さらにとんでもない事実に気が付いた。
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日本だけでバカ売れするRPA、愚かな結末を改めて警告する
いやぁ、白旗を揚げたくなるような気分だ。問題点や将来のリスクを何度も指摘してきたが、もはや多勢に無勢。ITベンダーからは「木村さんが何と言おうと、大きな流れは止まりませんよ」と皮肉られる始末。「RPA、恐るべし」である。
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SIerに「炎上マニア」のプロマネが存在する本当の理由
世の中には変わった人が大勢いるが、まさかSIerのプロジェクトマネジャーの中に「炎上マニア」がいるとは思わなかった。開発プロジェクトが炎上した際、一丸となって火消しに向かう時の客との連帯感や乗り越えた達成感がたまらないのだそうだ。そして「炎上プロジェクトを経験しないプロマネは育たない」と言う。
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若手技術者が年収800万円を要求、怒った課長の非常識さ
「優秀なプログラマーを採用しようとした某企業。応募してきた若手技術者に『年収800万円以上なら就職してもよい』と言われ、面接官の課長は『私の給与よりはるかに高い』と怒ったそうだ」。Twitterでそんな話をつぶやいたら大反響があった。まさに日本の常識は世界の非常識である。
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厚労省の統計不正が示す、IT劣等国ニッポンの惨状
官民の不正が相次いだので大概のことには驚かないが、厚生労働省の毎月勤労統計の不適切調査には心底驚いた。なんせ統計だぞ。調査報告書にはシステムに関する問題点も指摘しているというので読んでみたら、またまた驚いた。厚労省だけでなく企業などでの「あるある話」が記述されていたからだ。
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続・下請けベンダー化したSIer、世間知らずは顧客色に染まる
前回の「極言暴論」で「SIerの下請けベンダー化」を指摘したところ、Twitterなどを通じて多くのコメントが寄せられた。特に「SIerの組織は大口客単位の完全な縦割り」「残業量は客次第。ホワイト職場とブラック職場が一企業に併存する」との指摘は参考になった。今回は問題をさらに掘り下げよう。
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下請けベンダー化したSIer、パートナー戦略の無残な帰結
なぜSIerはユーザー企業にまともな提案ができず、単なるご用聞きになってしまうのか。この問題は「極言暴論」で何度も取り上げてきた。だが最近、問題の本質的な原因について見落としていたことに気が付いた。不明の至りである。
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はびこる自前主義の残りかす、日本企業のIT活用の悲惨
読者は不思議に思ったことはないだろうか。ユーザー企業のシステム開発の「丸投げ」とITベンダーの「ご用聞き」は本来なら相いれない。だってそうだろう。よく考えてほしい。両者とも「システムをどう作るかはあなた任せ」と言っているわけだから。
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求む!ジョブズ級、日本企業のDXがお花畑の理由
いいかげんに目を覚ましたほうがよい。というか、多くの企業が既に気付いているはずだ。「こんなことをやっていても先はない。無意味だ」との声も聞こえてきているぞ。何のことかというと、日本企業のデジタルの取り組みだ。とっとと今やっていることを破棄して、ゼロから考え直したほうがよい。
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経営者はパソコンなんか使わないぞ、技術者の時代錯誤に驚く
いやぁ、随分笑わせてもらった。何の話かというと、経団連会長とサイバーセキュリティー担当大臣が「パソコンを使えないのか」と騒ぎになった例の件だ。言っておくが、経団連会長や大臣が笑いの対象ではないぞ。騒いでいる人たちを笑ったのだ。あんたら、一体いつの時代の人やねん!
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コンサルできないSIer、「人材がいない」と嘆く社長はアホウ
「なぜコンサルタントは顧客でもない企業の経営者に面会できるのか」。人月商売のITベンダーの経営者に会ったとき、私がよく問いかけた質問だ。人月商売、ご用聞き商売では先が無いといった話題になったとき、話の流れでこう質問してみるわけだ。