注目したいのは、標準偏差の値はもはや二乗した値ではない点だ。そのため標準偏差には「円」の単位を付けられる。これにより「G駅前の平均ランチ価格は1073円で、ばらつきはプラスマイナス259円」という分析結果を得られる。

 この結果から、F氏はどのような判断をするだろうか? 例えば、1073円に259円を足すと「1332円」になる。F氏のレストランでこれを超えるランチ価格を設定する場合、G駅前ではかなり高価ということになる。その場合、料理の質や店舗の雰囲気、評判などが価格相応でなければならないだろう。

 一方、1073円から259円を引くと「814円」になる。仮にF氏の新しいレストランでこれを下回るランチ価格を設定すれば、G駅前ではかなりお安い値段になる。いずれにせよ、「G駅前の平均ランチ価格は1073円で、ばらつきはプラスマイナス259円」という分析結果は、新しいレストランのランチ価格設定にとって、たいへん有益な情報を提供してくれるわけだ。

関数で分散と標準偏差を算出する

 今回は、分散と標準偏差のどちらも算術的に計算した。一方、エクセルにはこれらを求める関数がある。VAR.P関数とSTDEV.P関数がそれで、下の図のセルF3とG3はこれら2種類の関数を利用して算出したものだ。

VAR.P関数とSTDEV.P関数を利用する
VAR.P関数とSTDEV.P関数を利用する
引数を母集団全体と考えるVAR.P関数とSTDEV.P関数で分散と標準偏差を算出した。先に算術計算した結果と一致する
[画像のクリックで拡大表示]
VAR.P関数(統計関数)
=VAR.P(数値1,数値2,...)
引数を母集団全体と考えて分散を返す
(1)数値 母集団の標本に対応する値を指定する
(2)数値2,... 省略可能。引数は255個まで指定できる
STDEV.P関数(統計関数)
=STDEV.P(数値1,数値2,...)
引数を母集団全体と考えて標準偏差を返す
(1)数値 母集団の標本に対応する値を指定する
(2)数値2,... 省略可能。引数は255個まで指定できる

 このように算術計算の結果とぴたりと一致した。なお、分散と標準偏差を求める関数はほかにもある。VAR.S関数とSTDEV.S関数がそれだ。