実は先に紹介した算術計算およびVAR.P関数とSTDEV.P関数で算出した分散と標準偏差は、対象にするデータを母集団全体と想定している。一方、VAR.S関数とSTDEV.S関数は、母集団から取り出した標本(サンプル)を対象に、母集団の分散と標準偏差を計算する。

VAR.S関数とSTDEV.S関数を利用する
VAR.S関数とSTDEV.S関数を利用する
VAR.S関数とSTDEV.S関数を用いて分散と標準偏差を算出した。いずれも引数を標本と考える関数のため、先に計算した結果と微妙に異なる
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VAR.S関数(統計関数)
=VAR.S(数値1,数値2,...)
母集団の標本を使用して分散を返す
(1)数値 母集団の標本に対応する値を指定する
(2)数値2,... 省略可能。引数は255個まで指定できる
STDEV.S関数(統計関数)
=STDEV.S(数値1,数値2,...)
母集団の標本を使用して標準偏差を返す
(1)数値 母集団の標本に対応する値を指定する
(2)数値2,... 省略可能。引数は255個まで指定できる

 今度は結果が微妙に異なった。一般的に、母集団の全データを採取するのは困難だ。実際、G駅前のすべての店舗に関するランチ価格を調査するのは難しい。この場合、調査したランチ価格は母集団からの標本になる。よって、今回の場合、VAR.S関数とSTDEV.S関数を用いるのが適切だ。標本を対象にした算術計算の場合、偏差平方和を「データの個数-1」で割る。つまり先のセルF2を「=D62/(A61-1)にすればよい。

 したがって今回の場合、「G駅前の平均ランチ価格は1073円で、ばらつきはプラスマイナス261円」と考えたほうが適切だ言える。標本を対象にしているほうが、余裕を見てばらつきの幅が広くなるのが特徴である。