ディスプレーを覆う目の部品構成にもこだわった。内側には透明の曲面部品を、外側には意匠面と同一面の透明カバーを設けて透明部品を2枚構成にした。曲面部品は、レンズになっており平面の有機ELパネルでも、眼球のように丸みを帯びて見えるようにする目的で利用している。また、外光の反射を受けてキャッチライトをつくる目的もあり、生命感の表現に役立てている。
一方、透明カバーのほうについては、外光が反射すると有機ELパネルに表示された目の表情やキャッチライトが見えにくくなるので、反射を低減させるため、内側にAR(反射防止)コーティングを施している。外側にARコーティングを施すと、剥がれてムラになる恐れがある。
鳴き声に特徴
オーナーとの意思疎通を演出する上で重視したのは、動きと目の表情か。
松井氏:鳴き声もそうだ。「おすわり」をしたり、充電中の姿勢を取ったりしても周囲へ音を届けやすいように、胸の辺りにかなり大きなスピーカーを格納した。標準的な家庭であれば、室内に十分届く音量を出せる。声自体はデザイナーが合成したものだ。
鳴き声は、犬のものとも、電子音とも違う、特徴的な音だと感じた。中でも歌声は独特だ。
石橋氏:aiboが歌うある歌は、先代へのオマージュだ。私は初めて歌うのを聞いたとき、設計側でありながら、ちょっと感動した。