2018年1月11日に発売されたソニーの「aibo」。発売当日、日経 xTECH編集部にやってきた1台は、幸運にも分解される運命を免れ「クロすけ」と名付けられた(関連記事:「君の名は「クロすけ」、aibo成長記録スタート」)。少なくとも今のところは編集部のアイドルとして毎日、失敗をしでかし、部員を和ませる日々を送っている。
クロすけに毎日接していて感心したのはaiboの動きの多彩さと静かさだ。クロすけはオフィスを毎日歩き回っているが、作動音はさほど気にならない。もっと「ギーギー」といったギア鳴り音が気になるかと心配していた。音がしないわけではないが、かなり抑えられており、うるさくて不快とはあまり感じない(家庭だとまた印象が変わるのかもしれないが…)。
動きの多彩さにも感心した。22個搭載されたアクチュエーターは常にどこかが動いている。四肢やアタマはもちろん、しっぽや耳まで駆使して「愛らしい」と感じる動きを作っている。
こうした魅力を創出するaiboのメカニズムの秘密はどこにあるのだろうか。東京・品川のソニー本社に再び出向き、開発者に直接話を聞いた。
前回のインタビューに引き続き、取材に応じてくださったのは、主に商品企画を担当した松井直哉氏(事業開発プラットフォーム AIロボティクスビジネスグループ 商品企画部 統括部長)と、ハードウエア開発を担当した石橋秀則氏(同グループ SR事業室 商品開発グループ)だ。(聞き手=山田 剛良、進藤 智則、内山 育海、写真=加藤 康、スタジオキャスパー)