PR

煙突内でも火災発生

 事例1の火災で伝導過熱を招くほどの熱が化粧板などに伝わった理由として、池高理事長は1重の煙突が使われていた点に注目する。1重の煙突だと、表面温度が200~300℃以上に及ぶからだ。

 JFSAでは、内側の煙突の周囲に厚さ25mm程度の不燃断熱材を施し、外側の煙突で囲う断熱2重煙突を、躯体の貫通部や外部で使用するようガイドラインで定めている〔図2〕。

〔図2〕断熱2重煙突を壁から15cm以上離す
〔図2〕断熱2重煙突を壁から15cm以上離す
建築基準法と日本暖炉ストーブ協会が定めるまきストーブや暖炉の煙突からの延焼火災を防ぐ方法の例(出所:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 事例1の場合は新築時に煙突を設置していたものの、当初は石油ファンヒーターを使い、途中でまきストーブに交換した。そのため消防本部では、煙突が飾り煙突だったのではないかとみる。まきストーブや暖炉に不適切な煙突を使う事態を防ぐために、JFSAは専門性の高い認定技術者に設計や施工を頼むよう求めている。

 消防本部は出火したもう1つの原因として、「煙道火災」の発生を挙げる。煙道火災とは、まきを燃やす時に出るすすやタールが煙突内部に付着して燃える現象だ。事例5では煙突の接合部が外れた箇所に、タールがびっしりとこびり付いていた。

 煙道火災が発生すると煙突内が600℃以上に達する。建基法やJFSAのガイドラインを満たしていても延焼の恐れがある。

 煙道火災は煙突の清掃で防げる。「最低でも1年に1回は実施してほしい」と、JFSAの岩﨑秀明監事は話す。含水率が20%以上のまきを低温で燃やすと、すすやタールが増す原因となる。利用者にはそうした使い方のリスクも伝えたい。