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周期2~3秒の成分が卓越した地震動

 和田名誉教授は詳細な検討結果が発表されるまで分からないと断ったうえで、地震動の特性が影響した可能性も指摘する。台湾の研究機関である国家地震工程研究中心が公開した、地震動の加速度応答スペクトルを確認してみよう。

台湾の研究機関、国家地震工程研究中心が公表した「2018.02.06花蓮地震概要 Ver7.2」の抜粋。花蓮市で観測された地震動と加速度応答スペクトル。南北方向の最大加速度は434ガル(cm/秒2)。東西方向で2~3秒の周期が卓越している(資料:国家地震工程研究中心)
台湾の研究機関、国家地震工程研究中心が公表した「2018.02.06花蓮地震概要 Ver7.2」の抜粋。花蓮市で観測された地震動と加速度応答スペクトル。南北方向の最大加速度は434ガル(cm/秒2)。東西方向で2~3秒の周期が卓越している(資料:国家地震工程研究中心)
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 花蓮市で観測された地震動の加速度応答スペクトルを見ると、東西方向で2~3秒の周期が卓越していることが分かる。和田名誉教授は、「12階建ての建物であれば、固有周期は1秒ぐらいだ。しかし地震発生後、初めに低層部に損傷を受けて建物の固有周期が延び、2~3秒と周期の長い成分を含む波と共振して大きく揺さぶられた可能性がある。この卓越した部分の応答スペクトルは、台湾における設計基準の2倍近くに匹敵する」と解説する。

 東西方向の強い揺れは、不整形の平面プランが持つ弱点を突いた。揺れる方向で建物を見たとき、最も外側にある柱に力は集中する。雲門翠堤大楼では、北東の角に位置する柱が最も強い引っ張り力が加わり、南西の角に位置する柱に最も強い圧縮力が加わったと予想される。

2階平面図を見た和田名誉教授は、12階建ての建物としては柱のスパンが比較的広いことを指摘した。北東の柱に引っ張り力、南西の柱に圧縮力がかかったとみられる(写真:菅原 由依子)
2階平面図を見た和田名誉教授は、12階建ての建物としては柱のスパンが比較的広いことを指摘した。北東の柱に引っ張り力、南西の柱に圧縮力がかかったとみられる(写真:菅原 由依子)
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