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春節前の2月6日、街が賑わいを見せていた時期に台湾東部でマグニチュード6.0の地震が発生した。震源近くの花蓮市を訪れた現地ルポは、これまで2回目(2月16日公開)と3回目(19日公開)で、高層ビル「雲門翠堤大楼」の倒壊メカニズムと原因を解説した。今回は市内で見られた他の被害にも目を向けながら、和田章・東京工業大学名誉教授が語った花蓮地震の教訓を紹介する。
花蓮市内で大きな被害を受けた高層ビルは、雲門翠堤大楼以外に3棟あった。1棟は、市内中心部の南側に位置する老舗ホテル「統帥大飯店」だ。男性1人の死者を出した。地下1階・地上12階建ての建物で、通りからセットバックしていた低層部の1、2階が層崩壊した。
統帥大飯店は1977年に開業し、建物は築40年以上たっていた。台湾の研究機関である国家地震工程研究中心の資料や、現地メディアによれば、2012年に耐震改修を施していたという。