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南側から久屋大通公園のテレビ塔を望む。名古屋市は民間資金を活用するPark-PFIの制度を使って、都市公園の5.4ヘクタールを整備する。事業者は三井不動産のグループ。2020年には都心に人の流れを誘引する新しい公園に生まれ変わる(撮影:江村 英哲)
南側から久屋大通公園のテレビ塔を望む。名古屋市は民間資金を活用するPark-PFIの制度を使って、都市公園の5.4ヘクタールを整備する。事業者は三井不動産のグループ。2020年には都心に人の流れを誘引する新しい公園に生まれ変わる(撮影:江村 英哲)
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 都市公園の整備や管理に民間資金を活用する「Park-PFI」(公募設置管理制度)で、日本最大となる事業が動き出した。名古屋市は2月14日、久屋大通公園(北エリア・テレビ塔エリア)の整備・運営事業の設置等予定者として、三井不動産を代表とする企業グループを選定したと発表。同グループは大成建設、日建設計、岩間造園で構成される。市住宅局都心まちづくり課の横井智雄主査は「Park-PFIの制度を活用した公園再生としては北九州市、東京都豊島区に続く3例目だが、5.4ヘクタールの整備を民間に任せる大規模事業は日本で初めてとなる」と説明する。

 Park-PFIは国土交通省が2017年6月に都市公園法改正で新設した制度だ。公募で選ばれた民間事業者が、公園の収益施設と公共部分を一体で整備する仕組みで、事業者は飲食店や売店などを公園内に設置できる。こうした店舗からの収益の一部は公園施設の整備や改修に充てる仕組みだ。三井不動産グループの事業期間は20年間。基本協定の締結から2038年までとなる。19年1月から着工し、20年には生まれ変わった公園の供用を開始する。

Park-PFIの概要。公募で選ばれた民間事業者が、公園の収益施設と公共部分を一体で整備する。事業者は飲食店や売店などを公園内に設置できる一方で、店舗からの収益を公園施設の整備や改修に充てる(出所:国土交通省)
Park-PFIの概要。公募で選ばれた民間事業者が、公園の収益施設と公共部分を一体で整備する。事業者は飲食店や売店などを公園内に設置できる一方で、店舗からの収益を公園施設の整備や改修に充てる(出所:国土交通省)
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 テレビ塔の立つ久屋大通公園は、栄地区中心部の南北約1.8kmに及ぶ都市公園だ。名古屋の都心だが、近年は駅周辺の整備が進み、シンボル地区としての地位が揺らいでいた。加えて、27年のリニア中央新幹線の開業に対する備えも必要だった。「名古屋は観光が弱い。リニアができれば東京に人を吸い取られる。こうした危機感から、民の力を使った都心の活性化が求められていた」と横井主査は説明する。

 市は13年から交通要所の駅周辺と繁華街の栄地区、観光名所の名古屋城の3拠点を人が回遊するような街づくりを進めてきた。栄地区の再開発では久屋大通公園の再生が核となる。国によるPark-PFI制度の創設は、渡りに船だった。実際、制度活用に向けた市や市議会の動きは早い。17年6月に改正都市公園法が施行されると、9月の市議会で公園再整備に関する条例を可決している。