良好な睡眠環境で入院生活を快適にする――。鹿島とNECネッツエスアイは共同で、患者の状態と好みをモニタリングしながら、病院の多床室、いわゆる大部屋の環境をベッドごとに自動制御するシステム「NEM-AMORE(ネマモーレ)」を開発した。ベッドまわりの環境を整えることで、睡眠の質を上げることを目指したものだ。
同システムでは、センシング技術と環境制御技術を使って、快適な睡眠環境を患者ごとにオーダーメードする。室内環境や患者の状態を把握するために、ベッドごとに環境センサーと生体センサーを設置。環境センサーで照度、音、温度を計測し、生体センサーで脈拍、呼吸、体動などから睡眠状態を検知する。これらのセンサーから得た情報を統合・分析し、リアルタイム制御で快適な環境をつくる。
例えば、窓側と廊下側の光環境が同一になるよう照明を調整したり、気になる音を緩和する特殊なノイズを流したり、寝苦しさを解消するよう風を送ったりする。また、患者の睡眠状況や患者自身が手動で調整した照度などのデータを蓄積し、個々の好みの環境を学習する。