建築の施工現場で進むデジタル競争が、準大手以下の建設会社にも波及し始めた。戸田建設が3月9日、2023年を想定した施工現場「トダ・イノベーション・サイト」を公表。既存技術のほか開発中の搬送ロボットやドローン、MR(複合現実)による施工管理などを盛り込んだ。同社本社ビル建て替え工事(東京都中央区)での実現を目指し、研究開発を加速する。
イノベーション・サイトの実現に先立って戸田建設は17年3月、同社技術開発センター内に新たな組織「施工革新ユニット」を発足。同ユニットは、土木と建築の混合部隊となる「ICT情報化施工チーム」と「地下構築チーム」に加えて、鉄骨建て方やPCa施工、内外装工事の技術開発を担う「地上構築チーム」の3つから成る。
イノベーション・サイトでは、これらのチームと連動する形で、「ICT施工管理技術」、「地下構築技術」、「地上構築技術」の3分野に大別し、生産性を高める考えだ。施工革新ユニットの三輪明広マネージャーは、「職人5人がかりでやっている仕事を、例えば3人でできるようにする。全てをロボット化するのではなく、職人と先端技術の協調を目指す。現在、研究者と現場の技術者が一体となって開発を進めている」と説明する。