ヒルトン・グランド・バケーションズ(HGV)は3月26日、神奈川県小田原市で週単位の所有権を販売する「タイムシェア・リゾート」型の宿泊施設を国内で初めて開業すると発表した。メーンターゲットは、日本人の家族旅行客だ。
HGVが展開する「タイムシェア・リゾート」とは、1年間を52週に分けて週単位の所有権を販売し、宿泊施設をオーナーが共同で所有するシステムだ。所有権の金額に応じてポイントが付与されるので、ヒルトングループや提携リゾートの宿泊施設にポイントを振り替えて滞在することもできる。別荘のように特定の場所に縛られることなく旅行を定期的に楽しみたい人や、自宅で過ごすような感覚でゆったりと余暇を過ごしたい人に人気がある。所有権は相続することも可能だ。
HGVが国内で開業するタイムシェア・リゾートの第1弾となるのは、「ザ・ベイフォレスト小田原・バイ・ヒルトン・クラブ」。同施設は既存の「ヒルトン小田原リゾート&スパ(以下、ヒルトン小田原)」の敷地内で計画されており、別荘タイプのコテージとコンドミニアムタイプのヴィラから成る。
先行する10棟のコテージは、ヒルトン小田原の既存施設を改装し、2018年4月に開業する。その後、100棟のヴィラを4期に分けて順次新築で設ける計画だ。
HGVが、計画地として既存ホテル事業主体の小田原ヒルトンから取得した敷地は、約5万9000m2。客室はリビングルームや寝室に加えてキッチン、ランドリーなども備えるユニットとし、スタンダードタイプの面積で90m2程度を見込む。定員は3世帯が同時に利用できる6人程度とする。
ザ・ベイフォレスト小田原・バイ・ヒルトン・クラブは、HGVが開発・運営し、ハウスキーピングやメンテナンスなどのサービスはヒルトンが提供する。設計は久米設計が担当。全体のデザインは、橋本夕紀夫デザインスタジオ(東京都渋谷区)が手掛ける。