日比谷を東京版ブロードウエイに
三井不動産は、東京ミッドタウン日比谷を通じて、日比谷をエンターテインメントの街として、東京版ブロードウエイとすることを目指している。明治時代の鹿鳴館に始まり、戦後の日比谷は日比谷公会堂や東京宝塚劇場、日生劇場などが集積するエンターテインメントの街として栄えた。東宝グループの創業の地でもある歴史を踏まえてのことだ。
そこで同社はエンターテインメント施設の1つとして、都心最大級のシネマコンプレックス「TOHOシネマズ 日比谷」を設けた。建物の地上4階、5階に11スクリーン、2200席の映画館を配置した。隣接する東京宝塚ビル内の2スクリーンと合わせると、合計で13スクリーン、2800席に及ぶ。
もう1つが広場だ。敷地北東側に配置した日比谷ステップ広場は日比谷公園にもアクセスでき、「映画制作発表やシネマアワードの会場として活用されることを想定している」と、三井不動産日比谷街づくり推進部事業グループの太田幸一統括は言う。3層吹き抜けのアトリウムと一体的に活用し、国際的なエンターテイメント関連イベントの誘致をしていく意向だ。
東京ミッドタウン日比谷の開業には、周辺施設も歩調を合わせる。日比谷ステップ広場とつながる日比谷シャンテは、3月22日にリニューアルオープンした。旧「合歓(ねむ)の広場」を「日比谷ゴジラスクエア」と名称を改め、ゴジラ像も「シン・ゴジラ」をべースにリニューアルした。4月26日からは、日比谷ステップ広場を使った観劇イベント「Hibiya Festival」も開催される予定だ。創業支援やエンターテインメントなどのテーマを掲げ、街を挙げた取り組みが日比谷で動き始めている。