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 「ナインアワーズ竹橋」が3月30日、東京都千代田区の皇居近くで開業した。都心部に立地するホテルの閉じたイメージを覆す、新タイプのカプセルホテルだ。

 東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩5分ほど、表通りから1本入った路地に面して立つ。鉄骨造・地上8階建てで、平田晃久建築設計事務所(東京都港区)が設計を手掛けた。最大の特徴は、全フロアを貫く中庭だ。中庭をコの字形に囲む3面は、ほぼ全面がガラス張りで、各フロアの内部が中庭に架かる屋外階段や他フロアからよく見える。

エントランスを入るとすぐ左手(建物西側)に、ガラス張りの外壁に囲まれた中庭がある。中庭の西側(写真左)は隣のビルの外壁。中庭にはジグザグに屋外階段が架かっている(写真:日経アーキテクチュア)
エントランスを入るとすぐ左手(建物西側)に、ガラス張りの外壁に囲まれた中庭がある。中庭の西側(写真左)は隣のビルの外壁。中庭にはジグザグに屋外階段が架かっている(写真:日経アーキテクチュア)
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中庭に架かる階段から見下ろす(写真:日経アーキテクチュア)
中庭に架かる階段から見下ろす(写真:日経アーキテクチュア)
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 フロア構成は、1階がフロントとワークスペース、2~5階が男性専用フロア、6~8階が女性専用フロア。計129室を備える。

ナインアワーズ竹橋の外観。東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩で5分ほど、表通りから1本入った路地に面して立つ。設計は平田晃久建築設計事務所(写真:日経アーキテクチュア)
ナインアワーズ竹橋の外観。東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩で5分ほど、表通りから1本入った路地に面して立つ。設計は平田晃久建築設計事務所(写真:日経アーキテクチュア)
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 ナインアワーズは、2009年に開業した京都店がJCDデザインアワード2010大賞や2010年のグッドデザイン金賞を受賞するなど、デザイン性の高いカプセルホテルとして注目を集めてきたブランドだ。7時間の睡眠と前後1時間の身支度に最適化した空間やサービスを重視している。

 ナインアワーズ竹橋は同ブランドの6店舗目。内部には、「スリーピングポッド」と呼ぶオリジナルの繊維強化プラスチック(FRP)製カプセルユニットが並ぶ。このカプセルユニットは全店舗共通で、ナインアワーズを象徴するアイコンにもなっている。店舗のクリエーティブディレクションとカプセルユニットを含むプロダクトデザインは、Design Studio S代表の柴田文江氏が手掛けた。事業主体はコスモスイニシアで、ナインアワーズ(東京都港区)が運営を担う。

ナインアワーズ竹橋の内観。オリジナルの「スリーピングポッド」が並ぶ(写真:日経アーキテクチュア)
ナインアワーズ竹橋の内観。オリジナルの「スリーピングポッド」が並ぶ(写真:日経アーキテクチュア)
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水回りやロッカーがあるエリア。各フロアに設けている。サインで機能が一目で分かる。サイン・グラフィックデザインは、廣村デザイン事務所が手掛けている(写真:日経アーキテクチュア)
水回りやロッカーがあるエリア。各フロアに設けている。サインで機能が一目で分かる。サイン・グラフィックデザインは、廣村デザイン事務所が手掛けている(写真:日経アーキテクチュア)
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 ナインアワーズ竹橋では、皇居のお堀の外周を走る「皇居ランナー」の利用を意識し、ナインアワーズブランドでは初めてとなるランニングステーションの機能を備えた。宿泊客のほか、仮眠などで一時利用するゲスト用のロッカー以外に、シューズロッカーを用意。ランニング後にシャワーを浴びるだけの利用料金も設けた。シューズなどの貸し出しも行う。