熊本地震で液状化した3つの住宅地において、液状化の再発を防止する宅地液状化防止事業が始まった。当初は県内の8地区が事業を検討していたが、実施を決めたのは3地区にとどまった。
復興交付金などを活用して、既存宅地と道路などの公有地の液状化対策を一体的に進める事業は、東日本大震災の被災地を対象に「市街地液状化対策事業」として始まった。
被災地の被害は甚大だったため、被災地に限らず事前に液状化対策に取り組む必要性が認識され、2013年に全国を対象とした「宅地液状化防止事業」が新たにできた。
いずれの事業も実施には欠かせない条件がある。区域内にある宅地の地権者の3分の2以上が事業に同意することだ。実施地区が限られる一因はここにある。
既存宅地の液状化対策で、最も一般的な工法は地下水位低下工法だ。熊本市南区の近見地区では、同工法による液状化対策の実証実験を4月に開始する。