PR

WeWorkの新規性とは何か?

 コワーキングスペース自体はすでに多数存在し、目新しさはない。同社の新規性はどこにあるのか。ニッセイ基礎研究所が分析し、以下の3点を指摘している。

従来のコワーキングスペースとWeWorkの違い。メンバー同士を結び付けてコミュニティーを醸成するための仕組みを、リアルとデジタルの双方で用意している(出所:ニッセイ基礎研究所)
従来のコワーキングスペースとWeWorkの違い。メンバー同士を結び付けてコミュニティーを醸成するための仕組みを、リアルとデジタルの双方で用意している(出所:ニッセイ基礎研究所)
[画像のクリックで拡大表示]

 第1に、メンバー同士を結び付けてコミュニティーを醸成する機能を追加した点だ。そのための仕組みをWeWorkはリアルとデジタルの双方で用意した。リアルでは、メンバー間の出会いを積極的に仲介するため、各施設にコミュニティーマネージャーと呼ばれる専任担当者を配置し、メンバーの相談に応じたり、つながりを促すイベントを開催したりしている。

 一方、デジタルな仕組みは「WeOS」だ。このIT基盤上に構築されたアプリケーションにより、入退室管理や会議室予約から世界中のメンバーとつながるSNSまで幅広い機能が提供される。これらによってメンバーは早期の事業化やオープンイノベーションが可能となり、「オランダの花屋を営んでいたメンバーが他のメンバーに力を借り、アメリカに移住後3カ月程度でビジネスに成功した」といった成果を出している。

 第2に、スタートアップ企業やフリーランスのメンバーが大手企業並みの条件で福利厚生や業務支援などを利用できるようにしたことだ。WeWorkが人事管理代行会社や保険会社、決済サービス企業などと提携することで実現している。

 最後が、WeOSなどを介したデータの蓄積を基にオフィス空間を改善している点だ。生産性の向上やメンバー間のコミュニケーション活性化を目指し、廊下の広さやゴミ箱の数まで最適化しようとしている。

 ユーザーやデータを囲い込むための手段を準備し、それらの蓄積が自社の競争力の源泉になるようにしたことが、WeWorkの特徴だとニッセイ基礎研は解説している。

分析:ニッセイ基礎研究所「WeWorkのビジネスモデルと不動産業への影響の考察(2)-Amazonを参考にプラットフォーマーという視点からの分析」より