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 2年後の今日、2020年7月24日に開会式が迫る東京オリンピック・パラリンピック。猛暑のなか、競技会場の工事が急ピッチで進んでいる。東京都は7月17日、都が主体となって整備する新規恒久施設8会場のうち4会場と、選手村の現状を報道陣に公開した。見学ツアーには、海外メディア8社を含む総勢約100人が参加。都は各会場の施工現場を前に、工事が順調に進んでいることをアピールした。

 公開した4会場は、臨海部の有明エリアを中心に「オリンピックアクアティクスセンター」、「有明アリーナ」、「海の森水上競技場」、「カヌー・スラローム会場」だ。

最後のリフトアップを準備中、オリンピックアクアティクスセンター

南東側から見た「オリンピックアクアティクスセンター」の施工現場。既に屋根の全貌が姿を現していた。「リフトアップ工法」を採用しており、現状、地上レベルから屋根の下面までで約12m引き上げられている。最終的に屋根高さは約37mとなる。屋根の厚さは約10m(写真:日経アーキテクチュア)
南東側から見た「オリンピックアクアティクスセンター」の施工現場。既に屋根の全貌が姿を現していた。「リフトアップ工法」を採用しており、現状、地上レベルから屋根の下面までで約12m引き上げられている。最終的に屋根高さは約37mとなる。屋根の厚さは約10m(写真:日経アーキテクチュア)
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 オリンピックとパラリンピックで水泳の競技会場となるオリンピックアクアティクスセンターは、鉄骨屋根が既に全貌を現していた。高さ約5mの架台上で地組みした大屋根を、ワイヤで吊り上げていく「リフトアップ工法」を採用しているためだ。

オリンピックアクアティクスセンターの施工現場の概要(資料:東京都)
オリンピックアクアティクスセンターの施工現場の概要(資料:東京都)
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 大屋根は3段階に分けてリフトアップする。既に2回が終了し、最後の3回目のリフトアップは7月下旬に実施する予定だ。屋根重量は約6000トンに上る。

敷地南東側に立つコア柱。4本あるコア柱それぞれに8本のワイヤが設置されている。7月下旬に予定している3回目のリフトアップでさらに約15m引き上げる(写真:日経アーキテクチュア)
敷地南東側に立つコア柱。4本あるコア柱それぞれに8本のワイヤが設置されている。7月下旬に予定している3回目のリフトアップでさらに約15m引き上げる(写真:日経アーキテクチュア)
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 実施設計と施工は大林組・東光電気工事・エルゴテック・東洋熱工業JVが担当している。基本設計と工事監理は山下設計だ。

 建物は地下1階・地上4階建てで、延べ面積は約6万5500m2。大会時の座席数は約1万5000席。工事の進捗状況は、6月末時点で約35%。20年2月の竣工を目指す。

「オリンピックアクアティクスセンター」の大会時の外観イメージ(2017年11月時点)。敷地は東京都江東区の「辰巳の森海浜公園」内だ(資料:東京都)
「オリンピックアクアティクスセンター」の大会時の外観イメージ(2017年11月時点)。敷地は東京都江東区の「辰巳の森海浜公園」内だ(資料:東京都)
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大会時の内観イメージ(2015年10月時点)。座席数は大会時で約1万5000席。大会後は5000席に減らす(資料:東京都)
大会時の内観イメージ(2015年10月時点)。座席数は大会時で約1万5000席。大会後は5000席に減らす(資料:東京都)
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