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 TOTOが中国市場で業績を伸ばしている。同社が18年6月末に公開した株主総会の資料によると、2017年度(17年4月~18年3月)の中国での水回り設備機器の売上高は、前年期比で17.2%増の719億6600万円、営業利益は、同19.0%増の181億4500万円に上った。好調な要因はどこにあるのか。また、これからの中国の市場における戦略はどのように考えているのか。東陶(中国)有限公司の深沢徹薫事・総経理に聞いた。

2018年6月5日から8日まで、中国・上海で開催されたアジア最大規模の水回り設備の国際見本市「キッチン&バス チャイナ2018」のTOTOのブース。モデルを使って商品のイメージを訴求していた。TOTOは同見本市への出展は18回目。500m2にもおよぶ広大なブースを構えていた。出展する他社の平均的なブースと比べると、約5倍の面積に当たる(写真:TOTO)
2018年6月5日から8日まで、中国・上海で開催されたアジア最大規模の水回り設備の国際見本市「キッチン&バス チャイナ2018」のTOTOのブース。モデルを使って商品のイメージを訴求していた。TOTOは同見本市への出展は18回目。500m2にもおよぶ広大なブースを構えていた。出展する他社の平均的なブースと比べると、約5倍の面積に当たる(写真:TOTO)
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中国に拠点を構えたのはいつですか。

深沢徹薫事・総経理(以下、深沢氏):1980年に、まずは輸入ブランドとして日本製のTOTO商品の販売を開始した。その後、現地で工場を立ち上げて、95年には自社製品の製造も始めた。現在、中国全土には工場が8つある。うち4つが衛生陶器、2つが水栓金具とバスルームアクセサリーを製造。そのほかの工場では、浴槽や温水洗浄便座などをつくっている。

 6月の国際見本市で展示した、寝浴できる「フローテーションタブ」、便器と温水洗浄便座を自由に組み合わせられる「ウォシュレットプラス」も中国で製造している。

海外に特化した商品、「フローテーションタブ」(撮影:介川 亜紀)
海外に特化した商品、「フローテーションタブ」(撮影:介川 亜紀)
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 17年度決算では売上高は719億円。構成比率はトイレ・洗面器などの衛生陶器が約40%、温水洗浄便座が25%だ。上海や蘇州、南京などの主要都市を含む華東地域が売上高の約40%を占めている。

東陶(中国)有限公司の深沢徹薫事・総経理(撮影:介川 亜紀)
東陶(中国)有限公司の深沢徹薫事・総経理(撮影:介川 亜紀)
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TOTOの中国の戦略では、08年に開催された北京オリンピックの体育館「鳥の巣」や競泳会場「水立方」など、国際的なイベントの会場への普及に力を入れていたイメージがあるが、現在はどのような施設に注力しているのか。

深沢氏:国際的なプロジェクトでは、入札可能な企業が指定されていた。水回りの設備機器はTOTOのほかコーラ―(米KOHLER)などの名が挙がっていた。当時の中国は世界に誇る施設を目指し、機能性、デザイン性ともに信頼度の高いメーカーを選んだようだ。

 現在は、マリオットグループ、スターウッドグループ、シャングリ・ラ、マンダリンオリエンタルをはじめとする5つ星ホテルや、上海環球金融中心などの超高層ビル、迎賓館といった著名施設への納品に力を入れている。ブランド戦略だ。

 それらの施設のほとんどに、ウォシュレット一体型便器のネオレストシリーズを納入した。高所得者層を含む多くの人に体験してもらうことで、中国でのTOTO商品の認知度を高める思惑もある。

主な顧客ターゲットを高所得者層に絞ったということか。

深沢氏:進出した当時、中国では間仕切りなどがなく床に穴が開いているだけの、いわゆる“ニーハオトイレ”が一般的だった。それよりも高機能・高品質な商品を提供しようと事業を展開した結果として、自然に高級路線に落ち着いた。