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 6割の貯湯タンクが適切な太さと本数のアンカーボルトで固定されていない。東日本大震災や熊本地震などで屋外に設置されていた給湯器の貯湯タンクが倒れるケースが相次いだために、国民生活センターが実態調査と実証試験を実施。その結果を2018年6月7日に発表した。

貯湯タンクを設置する際の脚部の固定状況について、アンカーボルトの太さと本数が告示の内容と一致しているかを調べた結果。100軒を調査したところ、現状の告示に沿った太さや本数となっていない割合が63%に達した(資料:国民生活センターの資料を基に日経 xTECHが作成)
貯湯タンクを設置する際の脚部の固定状況について、アンカーボルトの太さと本数が告示の内容と一致しているかを調べた結果。100軒を調査したところ、現状の告示に沿った太さや本数となっていない割合が63%に達した(資料:国民生活センターの資料を基に日経 xTECHが作成)
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 国民生活センターの調査では、6割を超える家庭でタンクが現行基準の仕様で固定されていなかった。徳島県内で100軒の家庭を抽出して調べたところ、63軒でアンカーボルトのサイズや数が、建築基準法施行令に基づく告示の水準を満たしていなかった。

 しかも、告示によって転倒防止策が義務付けられた後に設置されていたにもかかわらず、告示の内容に基づいていないケースが9軒存在した。

 告示と異なる内容で設置されていた63軒のなかには、アンカーボルトを使用せず、置いてあるだけの事例も6軒あった。さらに、基準を満たした太さ、本数のアンカーボルトで固定していたものの、芯棒を根元まで打ち込んでいなかった事例が5軒で確認できた。

 こうした結果を受けて、同センターは、据え付けが適切に行われるよう事業者側に要請した。