日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)は、耐震補強工事の実態に関する調査結果を発表した。それによると、新耐震設計法に基づいて建設された1981~95年の住宅では、耐震診断を受けた居住者の約3割が耐震補強工事を実施した。この割合は、旧耐震設計法(61~80年)で建設された住宅の実施率とほぼ同じだった。居住者が新耐震・旧耐震の違いをさほど意識せず、ある程度の築年数が経過すれば耐震性への不安を感じていることが分かった。

耐震補強工事の実施率は、建築年代と関係なく20%台から30%台の幅に収まっていた。1981年以降の新耐震の実施率は30.79%、旧耐震の実施率は30.67%とほぼ同じだった(資料:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の資料に日経ホームビルダーが一部加筆)
耐震補強工事の実施率は、建築年代と関係なく20%台から30%台の幅に収まっていた。1981年以降の新耐震の実施率は30.79%、旧耐震の実施率は30.67%とほぼ同じだった(資料:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の資料に日経ホームビルダーが一部加筆)
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 調査対象は、木耐協が2006年4月から18年6月までに耐震診断をした2階建て以下の木造軸組み工法の住宅2万6317棟だ。住宅の建築年代は1950年~2000年を対象とした。耐震診断を受けたこれらの住宅を対象に、建築年代別の耐震補強工事の実施率やそれぞれの平均工事金額などを調査した。

 ポイントは3つある。1つ目は、耐震補強工事の実施率が建築年代と関係なく20%台から30%台の幅に収まっていたことだ。住宅の古さと耐震工事の実施率との間に明確な因果関係は認められなかった。調査対象の住宅を、81~95年の新耐震と、61~80年の旧耐震にまとめて比べたところ、新耐震の実施率は30.79%、旧耐震は30.67%とほぼ同じだった。

 2つ目は、建築年代が古い住宅ほど耐震補強の工事金額が高くなること。最も高かったのは1961~65年に建設された住宅で234万2300円、最も低かったのは1996~2000年の113万5500円だった。工事金額の全体平均は163万9100円だった。木耐協は「費用を150万円程度に抑えると、居住者が補強工事を行いやすくなると考えられる」と分析。「補助金の利用や、古くなりすぎない状態での耐震診断・補強工事が必要」とみている。

耐震補強工事の平均工事金額は、築年数が浅いほど安くなる傾向がある(資料:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の資料に日経ホームビルダーが一部加筆)
耐震補強工事の平均工事金額は、築年数が浅いほど安くなる傾向がある(資料:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の資料に日経ホームビルダーが一部加筆)
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