国土交通省は住宅や建築物の省エネルギー基準への適合義務化の在り方などを決めていくための議論を始めた。2018年9月21日に社会資本整備審議会建築分科会および建築環境部会の合同会議を開催。会議の席上、住宅を中心に省エネ基準への適合義務化に一定の配慮を求める声が相次いだ。
15年12月に地球温暖化問題を受けた国際的な枠組みであるパリ協定が採択。住宅や建築物に関連する「業務その他部門」と「家庭部門」における二酸化炭素の排出量を13年度比で、それぞれ約4割削減する目標が掲げられた。そして、20年までに新築の住宅や建築物の省エネ基準への適合義務化を段階的に進める方針が、エネルギー基本計画で示されていた。
既に段階的な施策として、床面積が2000m2以上の非住宅の特定建築物については、新築時に一定の省エネ基準を満たすよう建築物省エネ法で義務付けている。一方で、マンションなどの中大規模の住宅や床面積が300m2以上2000m2未満の建築物に対しては、省エネ性能を示す届け出を義務付けるにすぎない。さらに、床面積300m2未満の小規模な建築物、住宅に対しては、省エネ性能の向上や省エネ基準への適合は努力義務にとどめている。