横浜市内の建設現場で、作業員が熱中症で死亡した事故に関して、横浜西労働基準監督署は2018年9月3日、労働安全衛生法22条(事業者の講ずべき措置等)に違反した疑いで、建設会社のヤマトエンジニアリング(神奈川県大和市)と同社の社長を書類送検した。熱中症の死亡事故による書類送検は18年に入って初めて。

 事故は18年7月14日に起こった。横浜市瀬谷区の戸建て住宅のベランダ改修工事で、熱中症対策として塩分や飲料水を作業員に与える義務があったにもかかわらず、作業員2人に塩分を準備する措置を講じなかった疑いが持たれている。

 2人は午前8時30分から作業を開始。ペットボトル入りの水を用意して休憩を取るなどしていた。しかし、午後0時30分ごろに1人が体調不良を訴えて倒れた。すぐに一緒に作業をしていたもう1人の作業員が気づき、病院に救急搬送したものの、男性は熱中症による多臓器不全で2日後の16日に死亡した。社長は現場に居合わせていなかった。

 同労基署によると、作業当日の横浜市の最高気温は35.8℃、湿度は56%だった。屋外の炎天下で服装の通気性も悪かった。労基署の調べに対して、ヤマトエンジニアリングの社長は「日ごろ作業員に塩分を摂取できる飴を持たせるなど熱中症対策を講じていた。だが、今回は小さな現場だったので危険性の認識が甘くなり、提供を忘れてしまった」と話しているという。