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免震ダンパーの検査データ改ざん問題で、KYB側がどのような証拠に基づいて出荷データの改ざんを確認したのか、詳細が判明した。10月29日、鳥取県はKYBと子会社のカヤバシステムマシナリーが提出した報告書を公表。この報告書に証拠書類が示されたのだ。
報告書は建築基準法12条5項に基づき、特定行政庁の鳥取県西部総合事務所が2社へ求めたもので、KYB側がどのように改ざんの事実を確認しているかが示されている。KYBは日経アーキテクチュアの取材に対し、他物件でも鳥取県へ提出したのと同様の証拠に基づき、改ざんの有無を確認していると説明した。
今回、鳥取県が公表した報告書は、県下3カ所の病院に納入されたオイルダンパーに関するものだ。改ざんが確認されたのはこのうち1カ所、南部町国民健康保険西伯病院(鳥取県南部町)だ。KYBが10月26日に公表した対象物件リストに含まれている。
残る2病院は鳥取県立中央病院(鳥取市)と鳥取赤十字病院(同)で、KYBの報告書は適合性について「不明」とし、不適合品として扱うと記している。県が報告書公表に踏み切った10月29日時点ではKYB側は未公表の施設だ。11月2日、KYBはこの2病院を含む20施設の名称を公表した。
鳥取県は今回、報告書公表について3病院の建物所有者などから了承を得た。