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 北海道釧路市にある市立釧路総合病院の新棟建設計画を巡り、契約解除問題が泥沼化している。市は2018年7月30日、設計業務を委託した共同建築設計事務所・武田建築設計事務所特定共同企業体(JV)を相手取り、業務委託料の一部返還など合計約1億3781万円の支払いを求めて釧路地方裁判所にJVを提訴した。それに対してJVは同年11月26日、未払いの委託料約1億277万円を求める反訴を釧路地裁に提起した。
(関連記事:65億円超過で契約解除、病院増築を巡り設計JVを提訴

市立釧路総合病院は1872年に開設、1984年に現在地へ移設された。老朽化対策と高度医療の機能確保のため、2015年に蝦名大也・釧路市長が新棟建設を打ち出した。図は、共同建築設計事務所JVが市に提出した完成イメージ(資料:共同建築設計事務所・武田建築設計事務所JV)
市立釧路総合病院は1872年に開設、1984年に現在地へ移設された。老朽化対策と高度医療の機能確保のため、2015年に蝦名大也・釧路市長が新棟建設を打ち出した。図は、共同建築設計事務所JVが市に提出した完成イメージ(資料:共同建築設計事務所・武田建築設計事務所JV)
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 反訴状によると、JVの成果品を市が受領拒絶したことは、「不当なものであり、市の責めに基づくもの」とし、契約に基づく業務は完了したことを主張。JVには「何ら債務不履行はない」として、未払いの委託料と遅延損害金の支払いを市に求めた。

 市立釧路総合病院は釧路・根室管内で高度医療を担う唯一の地方センター病院だ。新棟建設を進め、21年9月開院を目指して18年9月に着工する予定だった。

2018年7月に撮影した病院の既存棟(写真:日経アーキテクチュア)
2018年7月に撮影した病院の既存棟(写真:日経アーキテクチュア)
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 市は15年8月に公募型プロポーザルでJVを選定し、同年9月に基本設計・実施設計業務委託契約を3億3696万円で締結。契約時は、新棟を延べ面積約3万5000m2、工事予定額200億円以下で想定していた。