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 東京都がマンションの老朽化対策に本格的に乗り出す。新たな条例を制定し、築35年を超える分譲マンションについて、管理状況の届け出を義務付ける方針だ。

 2018年12月4日、小池百合子都知事は議会の所信表明で、19年2月ごろをめどに条例案を議会に提出する考えを示した。可決されれば、1年程度の周知期間を取ったうえで20年にも施行する。管理不全を予防し、適正な管理を促すことが狙いだ。

 条例案は、「マンションの適性管理促進に関する検討会」(座長:齊藤広子・横浜市立大学国際総合科学部教授)がまとめた基本的な枠組みを基に詳細を詰める。

 検討会は、条例化を見越して都が18年3月に設置。同年11月26日に最終報告書をまとめた。

修繕積立金の設定など報告を求める

 報告書によると、届け出制度の対象は管理組合の規定が明確でなかった1983年の区分所有法改正前に建築された6戸以上のマンション。届け出の適正頻度は5年ごととした。

「管理状況届け出制度」の運用イメージ。2018年11月26日、東京都が設置した検討会が最終報告書で示した。届け出のないマンションには、督促や指導を行う(資料:東京都の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
「管理状況届け出制度」の運用イメージ。2018年11月26日、東京都が設置した検討会が最終報告書で示した。届け出のないマンションには、督促や指導を行う(資料:東京都の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 具体的な届け出項目も示した。管理不全に陥らないための必須事項として、修繕積立金の設定や長期修繕計画を踏まえた工事の実施など7つの項目を挙げた。いずれかが無い場合、「管理不全の兆候がある」と見なす。

 機能の向上を図るうえで重要な事項として、耐震化に向けた取り組みや修繕履歴の作成・保管、設計図書の保管などについての届け出も求める。

 届け出に基づき、都・区市町村は個別訪問やアドバイザーの派遣などを行う。届け出がなかったり実態と異なる内容を届け出たりした場合には、行政側が指導や勧告を行う。