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 免震・制振ダンパーの検査データ改ざん問題で、KYBとカヤバシステムマシナリーは2018年12月19日、これまで公表したものとは別の手口による改ざんが判明したと発表した。国土交通大臣認定などへの不適合、または不適合の疑いがあるダンパーの出荷先は、今回の発表で138件増え、1102件に拡大した。

 新たに公表した不正手口は「原点調整」。これまで公表してきた係数を掛ける手口と同様、試作品開発向けの検査機器の機能を悪用したものだ。検査において、ダンパーを圧縮した際と引っ張った際で減衰力が異なった場合、減衰力のプラス側とマイナス側を隔てる原点を動かして、適正な性能に見せかけていたという。

記者会見の模様。右から2番目の人物がKYBの中島康輔社長(写真:池谷 和浩)
記者会見の模様。右から2番目の人物がKYBの中島康輔社長(写真:池谷 和浩)
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 2社は12月19日に記者会見。KYBの中島康輔代表取締役会長兼社長執行役員は「当初の社内調査では判明しなかった事態」と述べて謝罪。新たに製品保証引当金を25億円積み増すことを明らかにした。

 新たな手口はKYBが設置した外部調査委員会による調査で判明した。免震ダンパーの生産について、KYBは2007年から製造子会社のカヤバシステムマシナリーへ移管しており、原点調整の手口は移管後の08年または09年から始まったとみられるという。

 今回の公表に伴い、2社は不正ダンパーの総数を免震向けが8775本(11月30日時点では7450本)、制振向けが4275本(同3259本)と改めた。物件数は免震が995件(同885件)、制振が107件(同79件)だ。

12月19日時点の不正ダンパーの数と出荷先(資料:KYB)
12月19日時点の不正ダンパーの数と出荷先(資料:KYB)
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