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 日経ホームビルダーの取材で、大手建材メーカーのニチハが製造した屋根材が飛散して、近隣の窓を割る事故を起こしていたことが判明した。 

 「屋根材は人を傷つける凶器になり得る。その恐ろしさを初めて知った」。東京都世田谷区の高級住宅街の一角に居を構える建て主はこう振り返る。

 台風24号が首都圏を襲った2018年10月1日の未明、築19年の木造3階建て住宅の屋根材の破片約200枚が飛散。一部が近隣の住宅の窓ガラスを突き破った〔写真12〕。幸いこの部屋に住人は居なかったが、近くに居れば人身事故につながる恐れがあった。

〔写真1〕南面の棟部付近の屋根材が飛び散る
〔写真1〕南面の棟部付近の屋根材が飛び散る
東京都世田谷区内に立つ築19年の3階建て木造住宅で発生した屋根材の飛散事故。屋根材は、ニチハのパミールだった。南面の棟部付近の屋根材が飛散して、近隣住宅の窓を直撃した。左上の段ボールで窓を塞いでいる住宅が被害を受けた(写真:石川商店)
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〔写真2〕割れた窓ガラスが室内に散乱
〔写真2〕割れた窓ガラスが室内に散乱
飛散した屋根材は、近隣の住宅の3階バルコニーに飛び込んだ(左)。破片の一部は部屋の窓ガラスを突き破り、ガラスの破片を室内に散乱させた(右)。2階の網戸も屋根材の破片を受けて破損した(写真:建て主提供)
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 それだけに屋根材を飛散させた住宅の建て主の衝撃は大きい。「窓ガラスが割れたお宅の方から『もし部屋に居たら死んでいた』と言われた。想像しただけでゾッとした」(建て主)

 飛散した屋根材は、大手建材メーカーのニチハが製造したパミールだ。1996年から2008年まで販売されたノンアスベスト(無石綿)タイプのスレート瓦だ。

 事故後の補修に当たった屋根工事会社の石川商店(東京都品川区)が、飛散した跡を確認したところ、くぎや下地材を留めるタッカーにさびが生じており、屋根材の至る所に剥がれが見つかった〔写真3〕。同社によると、新築時の屋根工事の施工不良と思われる箇所は見当たらなかったという。

〔写真3〕くぎやタッカーが腐食
〔写真3〕くぎやタッカーが腐食
屋根材には剥がれやシーリング材の補修跡、くぎの折損やさびが見られたほか、下葺き材を留め付けるタッカーがさびていた(写真:石川商店)
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