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 スターバックスの高級業態「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」が日本初出店した。店舗に焙煎ばいせん工場を併設するために選んだ場所が、東京・中目黒にある目黒川沿いの敷地だ。外装などをデザインした隈研吾氏は、「水辺の活用はこれからの都市の新しい流れになるだろう」と語った。

東京・中目黒にオープンした「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」の内部。1階を見下ろす(写真:日経アーキテクチュア)
東京・中目黒にオープンした「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」の内部。1階を見下ろす(写真:日経アーキテクチュア)
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 同業態は米国・シアトルで2014年に初出店し、世界4カ所で展開してきた。日本は初出店で、19年2月28日に開業。建築設計と外装は隈研吾氏、内装はスターバックスデザインスタジオのチーフデザインオフィサー、リズ・ミュラー氏が担当した。「日本の新しい象徴となるように、外観は明るいスギ材を用いた」と、隈氏は説明する。

3階のソファに座り、インタビューに答える2人。左が隈研吾氏、右がスターバックスデザインスタジオのチーフデザインオフィサー、リズ・ミュラー氏(写真:日経アーキテクチュア)
3階のソファに座り、インタビューに答える2人。左が隈研吾氏、右がスターバックスデザインスタジオのチーフデザインオフィサー、リズ・ミュラー氏(写真:日経アーキテクチュア)
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 店舗は地下1階・地上4階建てで、延べ面積は2966m2。内装のゴージャスさは圧巻だ。入り口の大きな扉を開くと、まず目に飛び込んでくるのが、ピンクゴールドの輝きがまぶしい巨大キャスク。焙煎したコーヒー豆の貯蔵庫だ。その高さは、4階まで届く約17mと、世界のロースタリーでも最大級の大きさを誇る。

4階から吹き抜けを見下ろす。キャスクの周りには、桜の花びらのような銅片がちりばめられている(写真:日経アーキテクチュア)
4階から吹き抜けを見下ろす。キャスクの周りには、桜の花びらのような銅片がちりばめられている(写真:日経アーキテクチュア)
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 キャスクの外側には、目黒川沿いの桜が空に舞う様子をイメージして、職人が1枚1枚手づくりした銅板の桜の花で彩った。天井からも、舞い落ちる桜を彷彿ほうふつとさせる桜のオブジェをひらひらとつるしている。

 同店の実現には様々な課題があった。1つは、立地だ。ロースタリーを出店するには、焙煎工場を併設しなくてはならないが、アクセスの良い都心であることも重要だった。選んだ敷地は目黒川沿い。かつて水運を使った工場が並んでいた場所で、準工業地域に指定されていたため、焙煎工場の建設が可能となった。

川沿いの桜を楽しめるテラス。あえて明るい色のスギを使用。ガラス処理を施して、色の経年変化を抑えている(写真:日経アーキテクチュア)
川沿いの桜を楽しめるテラス。あえて明るい色のスギを使用。ガラス処理を施して、色の経年変化を抑えている(写真:日経アーキテクチュア)
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 隈氏は次のように語る。「目黒川沿いにはもともと水運を使った工場が並んでいて、準工業地域に指定されている。それを知ったときに、なんて面白いストーリーなんだろうと感じた。世界を見渡せば、パリやアムステルダムをはじめ、水辺に立つ古い工場を改修してオシャレになっている場所が数多くある。コンバージョンによって水辺空間を変えていくのが、これからの都市の新しい流れになるだろう」

1階の内観。右の黒い装置が、大型焙煎機(写真:日経アーキテクチュア)
1階の内観。右の黒い装置が、大型焙煎機(写真:日経アーキテクチュア)
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