全1657文字
PR
2019年5月10日に代表取締役社長の辞任を表明したレオパレス21の深山英世社長(右)。同社が設計・施工を手掛けた共同住宅で施工不備が発覚した一連の不祥事を受けて引責辞任する形となった(写真:日経 xTECH)
2019年5月10日に代表取締役社長の辞任を表明したレオパレス21の深山英世社長(右)。同社が設計・施工を手掛けた共同住宅で施工不備が発覚した一連の不祥事を受けて引責辞任する形となった(写真:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 「毀損した信用と業績の早期回復のために経営刷新を図り、代表取締役を辞任する」。そう語ったレオパレス21の深山英世社長は、報道陣のカメラに向かって深く頭を下げた。

 2019年5月10日、レオパレス21の創業家出身である深山社長が退任を発表した。同社が設計・施工を手掛けた共同住宅で施工不備が発覚した一連の不祥事を受けて引責辞任した形だ。深山社長は5月30日付で代表権を持たない取締役となる。退任を決断したのは大型連休に入る前だったと言う。後任の社長には、経営企画を長く担当した宮尾文也常務執行役員が就任する。

 レオパレス21は18年4月に、1990年代半ばに販売した木造集合住宅で確認申請図書に記載された小屋裏の界壁が施工されていない物件があることを発表。当初は一部の物件と説明していたが、全棟調査の過程で建築基準法の基準に満たない部材を使用している物件が多数あることが分かった。19年3月末時点で1万4599棟の施工不備が見つかっており、社内で法令違反が常態化していたことが明らかになった。

経営企画を長く担当した宮尾文也常務執行役員(左)が5月30日付で新社長に就任する。喫緊の課題は売り上げの8割を占める賃貸事業で入居率の低下を食い止めることだ(写真:日経 xTECH)
経営企画を長く担当した宮尾文也常務執行役員(左)が5月30日付で新社長に就任する。喫緊の課題は売り上げの8割を占める賃貸事業で入居率の低下を食い止めることだ(写真:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 施工不備が拡大した原因について会見で質問を受けた深山社長は、調査対象が多かった1990年代から2007年にかけて着工した物件について、「当時は商品開発を急いでおり、結構な数の商品が短期間に出た。設計部門など順法性を担保する組織が、(開発の)スピードについて行けなくなってしまったのではないか」と説明した。また、不十分な施工管理については、「検査を増やせば瑕疵は減るはず。『ものをつくる』という意識が欠落していた」と語った。

 施工不備の原因については、西村あさひ法律事務所に所属する弁護士で構成された外部調査委員会が調査を進めている。再発防止策や社内役員の責任について検討した最終報告書を19年5月下旬にまとめる予定だ。深山社長は、社長退任後も取締役として経営陣に残る。「物件オーナーへの対応などで、サポートをするのが私の役目」と深山社長は話す。