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 台風15号で被災した千葉県内の住宅に対して官民の復旧支援が本格化している。国土交通省は公的支援が手薄となる「一部損壊」の住宅に対する支援を決定し、2019年9月23日に千葉県に通達した。民間企業では職人のマッチングサービスを手掛けるユニオンテック(東京・新宿)が、9月25日から社員と職人を被災地に派遣して、破損した屋根にブルーシートを敷設するボランティア活動に従事している。

職人のマッチングサービスを手掛ける「ユニオンテック」が千葉県富津市で進める応急修理の様子。社員と職人を被災地に派遣して、破損した屋根にブルーシートを敷設している(写真:ユニオンテック)
職人のマッチングサービスを手掛ける「ユニオンテック」が千葉県富津市で進める応急修理の様子。社員と職人を被災地に派遣して、破損した屋根にブルーシートを敷設している(写真:ユニオンテック)
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 総務省消防庁が9月26日に発表した被災地の情報では、台風15号による住宅被害(浸水を除く)は2万442棟となった。うち千葉県の被害は1万7269棟に上り、全体の9割を占める。千葉県に絞って被害の内訳を見ると全壊111棟、半壊340棟、一部破損1万6818棟だった。

 罹災証明書を発行する際に自治体が破損した住宅を調査する被害認定は、「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」の4段階で判断する。公的な補助の対象となるのは半壊以上が条件だ。消防庁が発表する一部破損と、自治体の被害認定調査による一部損壊は異なる制度に基づくため一概には言えないが、一部破損が多い状況から国の支援が限られる一部損壊の認定が増えることが懸念される。

内閣府が通達で示した台風第15号における被害認定調査の判断基準。屋根に関する具体的な記述がある(資料:内閣府)
内閣府が通達で示した台風第15号における被害認定調査の判断基準。屋根に関する具体的な記述がある(資料:内閣府)
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 国交省は屋根被害の多かった千葉県の状況を鑑み、特例措置を出した。同省は9月23日、千葉県に対して一部損壊でも修理費を補助し、修理費補助の9割まで国が負担すると通知。19年6月に発生した山形県沖地震で一部損壊となる住宅に適用した特例を参考に、自治体が負担する修理費の半額を国交省が支出、残り半額の自治体の負担分はその8割を総務省の特別交付税でまかなう。国交省と総務省の支出を合算すると修理費補助の9割を国が負担する仕組みだ。修理費補助の上限額などは今後、県内の自治体と協議して詰める。

 国交省住宅局住宅総合課の三宅雅樹課長補佐は、「山形沖地震の特例は住宅の耐震性能を向上するという理由があった。台風被害によるブルーシート敷設など応急措置の費用に適用するかは検討が必要だ」と説明する。もっとも、被災した地域によって状況が異なるため、「まずは自治体が求める補助を提案してもらってから仕組みの詳細を調整する」(三宅課長補佐)。

ブルーシートで養生した被災住宅が並ぶ千葉県鋸南町。9月19日に撮影(写真:日経ホームビルダー)
ブルーシートで養生した被災住宅が並ぶ千葉県鋸南町。9月19日に撮影(写真:日経ホームビルダー)
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