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 大和ハウス工業は2019年12月18日、社内の「施工管理技士」の資格保有者4143人のうち349人が所定の実務経験の要件を満たさずに技術検定試験を受験し、施工管理技士の資格を取得していたことを明らかにした。不正に取得していた資格は、1級建築施工管理技士や1級土木施工管理技士、1級電気工事施工管理技士などで、合計422件に上る。国土交通省は、該当者の合格を取り消し、技術検定試験の受験を最大3年間禁止する。

不正に取得した資格の種類と数。実務経験の要件を満たさずに資格を取得した可能性のある退職者についても、保有資格の種類と数を示した。不正に資格を取得していた社員349人のうち6人は、実際に主任技術者や監理技術者として現場に配置されていた(資料:大和ハウス工業)
不正に取得した資格の種類と数。実務経験の要件を満たさずに資格を取得した可能性のある退職者についても、保有資格の種類と数を示した。不正に資格を取得していた社員349人のうち6人は、実際に主任技術者や監理技術者として現場に配置されていた(資料:大和ハウス工業)
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 問題が発覚したきっかけは、19年4月19日に同社の芳井敬一社長宛てに届いた内部通報だ。通報を受けて同社は、社内の施工管理技士の資格保有者に面談などの調査を実施。受験資格に満たない実務経験年数で資格を取得した社員や、実務経験証明書に記載した実務が別の資格の取得時に申請した実務と重複していた社員が複数いることが発覚した。

 同社は、該当する社員数の把握や原因究明のための調査を進めて19年10月23日に国交省に報告した。国交省は同社に対し、(1)該当する社員が監理技術者などとして配置されていた工事について、物件の所有者などに対する事案の説明、(2)物件調査の実施および報告、(3)既に退職した社員への事情聴取、(4)原因究明・再発防止策の検討――の4点を指示した。

 大和ハウス工業によると、実務経験に不備があった社員349人のうち、実際に主任技術者や監理技術者として現場に配置された社員は6人で、配置された現場は太陽光発電所や事務所など16物件。同社広報企画室によると19年12月19日時点で施工の不備は確認されていない。

不正に資格を取得した社員6人が主任技術者や監理技術者として配置されていた現場。16物件のうち14物件は修繕工事で、2物件は新設工事。工事の種類は電気工事と管工事だった(資料:大和ハウス工業)
不正に資格を取得した社員6人が主任技術者や監理技術者として配置されていた現場。16物件のうち14物件は修繕工事で、2物件は新設工事。工事の種類は電気工事と管工事だった(資料:大和ハウス工業)
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 国交省建設業課の竹村光司・企画専門官は、「会社や個人から申し出があり、合格の取り消しなどを行うケースは年に数件ほどあるが、一度に349人もの不正が発覚したという前例はない。加えて、該当する社員が実際に技術者として現場に配置されていた。極めて遺憾だ」と憤る。

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