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 2020年4月1日の施行が迫る改正民法(債権法)に対応し、建築界で一般的に用いられている2つの工事請負契約約款が19年12月に相次いで改訂された。

 中央建設業審議会(中建審、会長:柳正憲・日本経済研究所理事長)は19年12月13日の総会で、建設工事標準請負契約約款の改正を決定。同20日に実施を勧告した。中建審の約款には公共工事向けと民間工事向け、下請け契約向けがあり、それぞれ改正民法に対応させた。

 19年12月24日には、建築関連の7団体でつくる民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款委員会(委員長:古阪秀三・立命館大学客員教授)が、20年4月1日以降の契約に利用できる新たな約款を公表した。民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款は、大正時代から使われてきた実績のある約款だ。同委員会は改訂した約款について20年2月から東京、名古屋、大阪の3都市で説明会を実施し、同3月から頒布を始める。

民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款委員会の会見で、契約文化の重要性を説く古阪秀三委員長(左の人物)。同委員会は2020年4月に「民間(七会)連合協定工事請負契約約款委員会」へ改称し、約款の名称も変更する(写真:池谷 和浩)
民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款委員会の会見で、契約文化の重要性を説く古阪秀三委員長(左の人物)。同委員会は2020年4月に「民間(七会)連合協定工事請負契約約款委員会」へ改称し、約款の名称も変更する(写真:池谷 和浩)
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 2つの約款は条項や表記こそやや異なるが、改正民法の解釈は一致している。現行約款からの変更点は、債権譲渡制限条項の見直しや発注者側の受領遅滞が生じた際のルール新設など、多岐にわたる。

 中でも影響が大きいのは「瑕疵(かし)」という言葉が、「契約不適合」に置き換わることだ。これまで瑕疵担保責任と呼んでいた「契約不適合責任」を負う期間は、改正民法に基づくと「引き渡しから10年または不具合を知った時から5年のいずれか短い方」となる。