全1051文字
PR

 プランテックアソシエイツ代表取締役会長兼社長の大江匡氏が、2020年1月31日に急逝した。65歳だった。大江氏は1977年に菊竹清訓建築設計事務所に入所。85年に独立し、プランテック総合計画事務所を設立した。美術館や生産施設、研究所、オフィスビル、商業施設など、手掛けた建物は多岐に渡る。プランテックアソシエイツはお別れの会を開催する予定だ。

プランテックグループの創業者、大江匡氏。2019年1月31日に死去した(写真:山田 愼二)
プランテックグループの創業者、大江匡氏。2019年1月31日に死去した(写真:山田 愼二)
[画像のクリックで拡大表示]

 大江氏が率いたプランテック総合計画事務所は、「細見美術館」(京都市左京区)で99年に建築業協会賞を受賞。ソニーの本社機能が入るテナントビル「Sony City」(東京都港区)で2007年に日本免震構造協会賞作品賞受賞、日本建築家協会優秀建築選2007に選ばれた。18年には、日本設計と共同で設計した「日本橋高島屋S.C.本館」(東京都中央区)が開業し、重要文化財に指定された建造物を生かした再開発事業を実現した。

2006年10月に竣工した「Sony City」(写真:柳生 貴也、細谷 陽二郎)
2006年10月に竣工した「Sony City」(写真:柳生 貴也、細谷 陽二郎)
[画像のクリックで拡大表示]
細見美術館の外観。1998年3月開館(写真:名執 一雄)
細見美術館の外観。1998年3月開館(写真:名執 一雄)
[画像のクリックで拡大表示]

 大江氏と同時期に菊竹清訓建築設計事務所に在籍していた建築家の内藤廣氏はこう振り返る。

 「とても頭が良くて、機転がきく。そして負けず嫌いだった。菊竹事務所では同年代の所員よりも早く現場に出されて、責任ある仕事を任されていた」

 「彼が独立して数年たった頃、『自分だけが良くてはいけない。皆で良くならないといけない、と祖父に教わったんだ』と話していたのが強く印象に残っている。普段の振る舞いから受けるイメージとは落差がある発言で意外だったが、これが本音なんだろうと感じた。同世代の建築家、皆で建築界を変えていきたいと考えていたようだ」

 「建築界だけで通用するような価値ではなく、社会に開かれた価値を生み出すことを目指していた。新しい組織設計事務所の在り方を確立する一歩手前だったと思う。彼も無念だろう」

 プランテックアソシエイツの代表取締役社長には、取締役だった小山直行氏が20年2月2日付けで就任した。小山氏は18年3月にプランテックアソシエイツ子会社のプランテックコンサルティングに入社。同社のほか、プランテック総合計画事務所、プランテックファシリティーズなどの取締役でもある。これまで大江氏の下でグループ全体の経営企画などに関わってきた。また、今回の人事でプランテックグループの各事業会社の代表取締役社長の交代はない。

[関連記事]