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 国土交通省は2020年2月14日、建築基準法に基づいて建築確認や検査を実施する国土交通大臣指定の確認検査機関「AI確認検査センター」(東京・町田)に対し、「役員による確認検査の業務に著しく不適当な行為があった」などとして、20年3月9日から同年7月28日までの期間を業務停止とする監督命令を下した。同社のほか、ビューローベリタスジャパン(横浜市)や国際確認検査センター(東京・中央)など、8つの検査機関も処分した。

国土交通省が処分を下した指定確認検査機関
指定確認検査機関処分内容処分事由
1AI確認検査センター
(東京都町田市)
業務停止
(期間:4カ月と20日)
  • 役員による確認検査業務における著しく不適当な行為
  • 確認検査を行ってはいけない建築物の確認検査を実施
  • 確認検査に関する報告書の提出を遅延
2ビューローベリタスジャパン
(横浜市)
業務停止
(1カ月と10日)
  • 確認検査員の過失で、大阪府内や埼玉県内で法に適合しない建築計画に確認済証を交付
  • 法令に基づく保存期間内に、確認検査の書類を一部紛失
3国際確認検査センター
(東京都中央区)
業務停止(1カ月)
  • 774件の確認検査に関する報告書の提出を遅延
4富士建築センター
(神奈川県川崎市)
業務停止(10日間)
  • 61件の確認検査に関する報告書の提出を遅延
5アウェイ建築評価ネット
(東京都新宿区)
業務停止(10日間)
  • 確認検査員の過失により、神奈川県内で法に適合しない建築計画2件に検査済証を交付
6J建築検査センター
(東京都渋谷区)
業務改善計画書を提出
(期限は3月6日まで)
  • 確認検査員の過失により、神奈川県内で法に適合しない建築計画に確認済証を交付
7日本建築総合試験所
(大阪府吹田市)
業務改善計画書を提出
(期限は3月6日まで)
  • 確認検査員の過失により、兵庫県内で法に適合しない建築計画に確認済証を交付
8ハウスプラス確認検査
(東京都港区)
業務改善計画書を提出
(期限は3月6日まで)
  • 確認検査員の過失により、三重県内で法に適合しない建築計画に確認済証を交付
9西日本住宅評価センター
(大阪市)
業務改善計画書を提出
(期限は3月6日まで)
  • 確認検査員の過失により、兵庫県内で法に適合しない建築計画に確認済証を交付
(資料:国土交通省の資料を基に日経クロステックが作成)

 最も厳しい処分を受けたAI確認検査センターは、神奈川県内の戸建て住宅など263件で、本来は申請者などが行うべき申請書類の補正や押印を、同社の取締役が代行していた。また、当時の代表者の親族が一級建築士として設計などに関わった建築物の確認検査を実施していた。指定確認検査機関の指定準則によると、検査機関の代表者の親族が設計や工事監理、施工などに携わった建築物の確認検査をしてはならない。

東京都町田市を拠点とする国指定の確認検査機関「AI確認検査センター」。国土交通省は「役員による確認検査の業務に著しく不適当な行為があった」として4カ月と20日の業務停止を命じた(写真:日経クロステック)
東京都町田市を拠点とする国指定の確認検査機関「AI確認検査センター」。国土交通省は「役員による確認検査の業務に著しく不適当な行為があった」として4カ月と20日の業務停止を命じた(写真:日経クロステック)
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 ビューローベリタスジャパンは、大阪府内の建築物の確認審査で確認検査員の過失により、必要な防火区画をしていない建築計画に確認済証を交付したことなどを理由に、20年3月9日から1カ月超の業務停止処分を受けた。同社広報担当者は、「国交省に提出する業務改善計画書の作成過程で、問題が発生した理由を精査する」と話す。国交省は業務に関わった3人の確認検査員についても、「法に適合しない建築計画を見過ごした」などの理由で、2カ月間の業務禁止を命じた。

 建築物の建築確認などの行政手続きを民間に開放する指定確認検査機関制度は、1998年の建基法改正に伴って始まった。完了検査の実施率が向上するなどの成果があった半面、確認検査の質の担保が課題とされてきた。今回の処分について、国交省住宅局建築指導課建築安全調査室の西田誠課長補佐は、「制度の抜本的な見直しではなく、立ち入り検査の強化などで対策を講じる」と話す。

 西田課長補佐は、「AI確認検査センターの事例はかなり特殊だ。処分の事由については属人的な理由によるところが大きい」と説明する。過去に同社の経営に携わった男性は、国交省が指摘した不適切な行為について、「40代の前社長が関わっていた」と明かす。