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 徳島県石井町の指名競争入札を巡る設計談合。談合を首謀したとされる設計事務所代表の裁判が進むなか、談合に加わったとして略式起訴され、起訴事実を認めた5社が2020年2月4日、「自分たちが利益を得ようとしてやったことではない。12カ月の指名停止は重過ぎる」として県に指名停止期間の短縮を求める請願書を提出した。なぜ5社は談合を認めつつも情状酌量を求めるに至ったのか。日経アーキテクチュアの取材に応じた当事者の証言などを基に、事件の深層をひもとく。

徳島県石井町の石井幼稚園。2020年2月19日撮影。18年に改築工事に着手し、19年3月に完成した(写真:日経アーキテクチュア)
徳島県石井町の石井幼稚園。2020年2月19日撮影。18年に改築工事に着手し、19年3月に完成した(写真:日経アーキテクチュア)
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 談合の舞台となったのは、町が17年に実施した石井幼稚園改築工事の実施設計業務と工事監理業務に関する2件の指名競争入札だ。徳島県警は19年10月21日、これらの入札において談合があったとして平島弘之プラスチーム二十八(徳島市、以下チーム二十八)の平島弘之代表取締役を逮捕。徳島地検は同年11月29日、平島代表を徳島地方裁判所に起訴した。

 起訴状によると、町が17年4月と同年12月に実施した2件の入札で、町に指名されて入札に参加したチーム二十八とその他の設計事務所5社、合計6社が共謀したという。平島被告は、自身の会社に落札させる目的で事前に各社へ電話で連絡し、自社の価格より高い価格で応札するよう求め、5社は被告の依頼に応じたとされる。

 2件の入札に参加した設計事務所の顔ぶれは同じだった。町の資料によると、実施設計業務の予定価格は2729万9000円で、チーム二十八は約89.7%に当たる2448万円で落札。工事監理業務の予定価格は1396万8000円で、チーム二十八が約89.3%の1248万円で落札した。

 徳島区検は19年11月29日、平島被告の依頼に応じた5社の入札担当者を略式起訴した。5社は談合していたことを認め、徳島簡易裁判所は各社の入札担当者それぞれに罰金30万円の支払いを命じた。