全1180文字
PR
4/1朝まで
どなたでも有料記事が読み放題「無料開放デー」開催中!

 2020年3月1日に迫った改正建築士法の施行に向けて、国土交通省は、新たに保存義務を課した4号建築物の構造詳細図や壁量計算書などの例を、20年2月17日にウェブサイト上で公開した。

 改正士法の施行後は、全ての建築物で、配置図や各階平面図、2面以上の立面図、2面以上の断面図のほか、基礎伏図、各階床伏図、小屋伏図、構造詳細図、さらに壁量計算の結果などを含む構造計算書や工事監理報告書の保存が義務付けられる。これまで保存義務がなかった木造戸建て住宅の構造詳細図や構造計算書などについては「詳細を丁寧に説明してほしい」と関係団体などが国交省に要望していた。

 基礎伏図や各階床伏図、小屋伏図、構造詳細図については、2階建ての木造戸建て住宅における図面例を公開した。構造詳細図には基礎や床組み、小屋組み、軸組みなどの取り合いといった構造方法、柱の有効細長比のほか、部位別の継ぎ手・仕口の構造方法などが記載されている。図面例は日本住宅・木材技術センターが作成した。

 国土交通省住宅局建築指導課は、「公開したのは、あくまでも1つの例。どのような金物を使い、どのように取り付けたかが分かるような図書を保存してほしい」と図面例を公開した狙いを説明する。

2階建ての木造戸建て住宅の構造詳細図の例(資料:国土交通省)
2階建ての木造戸建て住宅の構造詳細図の例(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]

 壁量計算や四分割法、N値計算については、これまで作成する図書に関する決まりなどがなかった。そこで国交省は、法適合していることを確認する図や計算結果を分かりやすく示した例を公開した。

壁量計算に関する図書の例(資料:国土交通省)
壁量計算に関する図書の例(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]

2号・3号建築物でも保存対象拡大

 2号・3号建築物については、これまでも保存義務があった保有水平耐力計算などの構造計算書に加えて、仕様規定の適用除外に必要な構造計算や、燃えしろ設計についての構造計算など、構造の安全性を確認するために行った構造計算に関する図書の保存が新たに義務化される。国交省はこれらの構造計算の分類と、それぞれの例を表形式で公開した。

 構造計算の分類は3つ。建築基準法施行令で構造計算と規定しているもの、政令や告示に構造計算と明記されているもののほかに、「政令や告示に構造計算と明記されていないが、応力(応力度)が耐力(許容応力度、材料強度)を上回らないこと、または層間変形角、剛性率もしくは偏心率が一定の範囲にあることを計算しているもの」という分類を設けた。エレベーター強度検証法についての計算などが含まれる。

仕様規定の適用除外に必要な構造計算、燃えしろ設計についての構造計算など、構造の安全性を確認するために行った構造計算の例。全ての建築物について、構造の安全性を確認するために行った構造計算書の保存が義務化される(資料:国土交通省)
仕様規定の適用除外に必要な構造計算、燃えしろ設計についての構造計算など、構造の安全性を確認するために行った構造計算の例。全ての建築物について、構造の安全性を確認するために行った構造計算書の保存が義務化される(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]

 保存義務の対象となる図書を拡大したのは、建築物の構造安全性が確保されていることを建築士が対外的に立証できるようにするとともに、設計業務などの委託者の保護を図ることが目的だ。保存期間は作成日から15年間。20年3月1日以降に作成した図書が対象だ。図書を保存しなかった場合、30万円以下の罰金に処される。

[関連記事]