建設ロボットの開発・導入が加速していることと連動し、現場管理のスマート化を図るための技術開発が活発だ。なかでも、資材搬送の自動化に向けた動きが目立つ。鹿島と竹中工務店が協業して取り組む、現場管理システムもその1つだ。両社が2020年1月30日に発表した、建設ロボットやIoT(モノのインターネット)などを活用した技術開発における連携の一環として進めている。
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両社が進める現場管理システムでは、鹿島が「場内搬送管理システム」を担当する。工場で生産された資材にQRコードを付与し、製造・出荷から現場での荷卸し、搬送ロボットによる水平搬送、施工完了までの一連の工程をクラウドデータベース上で一元管理する。
同社はこれらのデータを、時間とコストの情報を持たせたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルと連携させ、工事の進捗が分かるように部材を色分けするなどし、見える化する考えだ。
一方の竹中工務店は、同システムと連携する「建設ロボットプラットフォーム」の開発を分担する。BIMデータを地図情報として活用し、搬送ロボットや清掃ロボットなど、複数のロボットを一元管理するシステムだ。2月14日、竹中工務店がブレインズテクノロジー(東京都港区)に委託していた技術開発の詳細を発表した。
BIMデータを活用することで、現場の状況に応じてロボットの稼働範囲を設定・変更したり、搬送経路を事前にシミュレーションしたりできる。
竹中工務店西日本機材センター機械化施工推進グループの永田幸平課長は、「今後、現場内にロボットが増えていくことを想定すると、運用や保守に関連する業務負荷の削減にもつなげられるはずだ」と話す。