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 緊急事態宣言が2020年4月7日に発令されてから、日本の建設会社は次々に工事の一時中断に踏み切った。ただし、各社の対応にはばらつきがあり、いまだ自社の方針を公表していない建設会社もある。今後、この全国的な工事中断はどうなるのか。緊急事態宣言の期間が延長されれば、工事は止まったままのか──。感染拡大が先行する欧米諸国の現状から日本の未来を見通すため、日経クロステックは各国の規制や建設現場への影響をつぶさに調べた。参考になりそうなのは、日本と同様、政府が建設現場に対して法的規制をかけていない英国だ。

 まずは下の表をご覧いただきたい。欧米各国のロックダウン(都市封鎖)の状況や、建設現場に対する規制の有無、その規制の内容を示した。多くの国で、制限措置を建設現場にも適用していることが分かる。新型インフルエンザ等対策特別措置法の効力が現場に及ばない日本とは対照的である。

各国の建設現場をめぐる規制
国名 感染拡大への対処 建設現場への規制 建設業への規制の詳細
イタリア 3月10日から全国封鎖 必要不可欠な工事以外は全て中断
スペイン 3月27日から全国封鎖。4月13日に封鎖を一部緩和 同上(ただし4月13日から封鎖基準緩和で一部の工事が再開)
英国 3月23日から全国封鎖 政府による一律の規制なし
英国(スコットランド) 3月23日から全国封鎖 4月6日から重要でない工事を中断。追加方針は4月27日の予定
ドイツ 3月22日に全国封鎖。4月20日から段階的に緩和 「国内経済の重要な柱」として制限対象に含めず
米国(サンフランシスコ) 3月19日からカリフォルニア州全体を封鎖 3月31日から市内の工事を中断(医療施設などは対象外)
米国(ニューヨーク) 3月22日からニューヨーク州全体を封鎖 当初、継続が認められたものの3月27日から必要不可欠な工事以外を中断
ユニオンテックの社内組織であるConTech総研の資料を基に日経クロステックが作成

 欧州でいち早く3月10日にロックダウンに踏み切ったイタリア。経済活動に厳しい制限を課し、建設工事についても「必要不可欠な工事」以外は全て中断させた。各国の都市封鎖の現状を調べているConTech総研の田久保彰太所長は「イタリアは全土のロックダウンを5月3日まで延長したが、死亡者数の減少に伴って4月14日から一部業務の再開が発表された。建設工事では、3月時点で『必要不可欠』ではなかった電気工事や配管工事も認められるようになった」と解説する。

 スペインも状況は似ている。建設現場も制限対象に含まれたが、ロックダウンの条件緩和によって4月中旬から一部の工事が再開している。

 州ごとに規制が異なる米国の場合、主要都市ではイタリア、スペイン同様に建設現場が制限対象に含まれる。カリフォルニア州では、サンフランシスコ市が独自に5月3日まで市域全体で工事を中断することを決めた。空港や公共交通機関、医療施設、高齢者・障害者向け非営利施設などは例外として工事が継続している。

 ニューヨーク州は、当初、建設現場の稼働を認めていたが、感染者が急激に増加した3月後半、一転して制限対象に含めることを決定。3月31日からほぼ全ての現場が中断している。現地の報道によれば、継続が認められなかった現場から抗議の声が相次いでいる。

「中断」「継続」「保留」に分かれた英国建設会社

 一方で、英国とドイツは建設現場に対する法的規制がない点で他国と異なる。ドイツは建設業を「国内経済の重要な柱」(アンドレアス・ショイアー独運輸相)と早くから打ち出したこともあり、建設現場はほぼ中断していない。国際的な調査会社のGlobalDataは、ドイツの建設分野における2020年の総生産額が前年比2.2%の減少にとどまると予測している。

 英国は状況が異なる。政府からの明確なメッセージがなかった同国では、工事を中断するか否かが各建設会社に委ねられた。そのため、早くから「中断」を発表する会社と継続の方針を取る会社、態度を保留する会社に分かれた。この点が、日本の建設会社の現状とよく似ている。

 日経クロステックは、英国の主要建設会社20社(2018年度の売上高順)の意思決定と方針を、公開情報と一部現地報道を基に調査した。以下の図は、3月23日のロックダウン以降、それぞれの会社がどんな行動を取ったのかを時系列で示したものだ。

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日経クロステックが英国建設会社の公開情報を基に作成。「条件付き継続」は、継続を前提として一部安全性を担保できない現場のみ中断したもの、「条件付き中断」は、中断を前提として緊急性の高い現場などだけを稼働させたことを示す。企業による公開情報がない場合、現地報道で最低2社が報じている情報について盛り込んだ。報道も公開情報もない場合は「方針表明なし」とした。全て日本時間4月18日までの情報でまとめた
日経クロステックが英国建設会社の公開情報を基に作成。「条件付き継続」は、継続を前提として一部安全性を担保できない現場のみ中断したもの、「条件付き中断」は、中断を前提として緊急性の高い現場などだけを稼働させたことを示す。企業による公開情報がない場合、現地報道で最低2社が報じている情報について盛り込んだ。報道も公開情報もない場合は「方針表明なし」とした。全て日本時間4月18日までの情報でまとめた
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