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 鹿島が超高層ビルの大型柱に対応する多関節(マニピュレーター)型の現場溶接ロボットの開発を進めている。技能者がロボットを設置すれば、自動で大型の角形鋼管柱(ボックス柱)の全周を連続溶接することが可能だ。

 同社は既に、東京都内の現場で同ロボットを適用し、熟練工並みの品質が確保できることを確認。今後、さらに改良を重ねたうえで、2021年1月には超高層ビルの現場で稼働させる計画だ。

鹿島が新たに開発した多関節(マニピュレーター)型の現場溶接ロボット。2020年3月25日に発表した(写真:鹿島)
鹿島が新たに開発した多関節(マニピュレーター)型の現場溶接ロボット。2020年3月25日に発表した(写真:鹿島)
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 新たに開発した多関節型の現場溶接ロボットは、超高層ビルなどでの適用を見込む。超高層ビルなどで使われるボックス柱は、四隅が直角で厚い鋼板を用いており、溶接量が多い。そのため、溶接に要する時間は、1本当たり1~2日ほどかかるのが通常だ。

 今回開発した多関節型のロボットであれば自動溶接が可能なので、複数のロボットを同時に稼働させれば、効率アップが期待できる。

 鹿島機械部の水谷亮技術開発担当部長は、「今後、東京都内を中心に大型の鉄骨柱を用いる超高層ビルの新築プロジェクトが複数計画されている。溶接量が多い大型柱の施工効率を高める必要があった」と、開発の背景を説明する。

 ロボット本体には、6軸の汎用型のロボットアームを採用。柱を取り囲むように円形のレールを設置し、このレール上をアームが自動走行する。柱の四隅のうち、1つの隅をL字形に移動しながら溶接していき、これを4回繰り返して柱の全周を仕上げる。

多関節型の現場溶接ロボットの概要。円形のレールにロボットアームを組み込んだ。溶接ロボットとセンシングロボット(開発中)で構成される。レーザーと画像によって開先形状をリアルタイムで計測し、溶接の層数やパス数、速度などを自動で補正しながら自律的に溶接できる機能も開発を進めている(写真:鹿島)
多関節型の現場溶接ロボットの概要。円形のレールにロボットアームを組み込んだ。溶接ロボットとセンシングロボット(開発中)で構成される。レーザーと画像によって開先形状をリアルタイムで計測し、溶接の層数やパス数、速度などを自動で補正しながら自律的に溶接できる機能も開発を進めている(写真:鹿島)
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 レーザーセンサーによる計測で、溶接する溝(開先)の形状に応じた最適な層数やパス数、溶接速度などを自動で算出するソフトウエアも併せて開発した。今後、溶接中に溶接条件を自動補正する小型センサーの開発を進め、「センシングロボット」に搭載できるよう、小型化を図る考えだ。

別の柱への付け替え作業ができる専用台車も開発

 自律的に作業ができるロボットの場合、本体が大型になることが少なくない。課題になるのがロボットを稼働させる位置にセッティングする作業の負荷だ。この負荷が大きいと、現場で使ってもらえない。

 そこで鹿島は、施工フロア内をスムーズに移動できる専用台車を併せて開発。多関節型の現場溶接ロボットはこの台車を活用して、2人で設置する。別の柱への付け替え作業が容易になるよう工夫したという。

専用台車を使ってロボットを設置している様子。ロボットの総重量は100kg弱で、通常は2人で設置することを想定している(写真:鹿島)
専用台車を使ってロボットを設置している様子。ロボットの総重量は100kg弱で、通常は2人で設置することを想定している(写真:鹿島)
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 鹿島建築管理本部副本部長の伊藤仁常務執行役員は、「技能者2人で柱4本を管理できればコストメリットが出てくる。最終的には、日中の作業の最後にロボットを設置し、夜間にも稼働させたい」と話す。

溶接中の様子。多関節型の現場溶接ロボットを適用した東京都内の施工現場では、800mm角、板厚25mmの角形鋼管柱を溶接した。今後はさらに大型の柱にも対応できるようにする(写真:鹿島)
溶接中の様子。多関節型の現場溶接ロボットを適用した東京都内の施工現場では、800mm角、板厚25mmの角形鋼管柱を溶接した。今後はさらに大型の柱にも対応できるようにする(写真:鹿島)
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ロボットが溶接した柱。熟練の技能者と同等レベルの品質で溶接できることを確認した(写真:鹿島)
ロボットが溶接した柱。熟練の技能者と同等レベルの品質で溶接できることを確認した(写真:鹿島)
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