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 パーソル総合研究所は2020年4月17日、緊急事態宣言の発令後における全国のテレワークの実施状況を発表した。建設業を含め多くの業種でテレワークの採用が増えていることが明らかになった。ただし、建設業は他の業種と比べて後れを取っており、特に現場で働く人の採用が進んでいない。テレワークを取り入れる体制が依然として企業に備わっていないことも分かった。

パーソル総合研究所が2020年4月17日に発表したアンケート調査の結果。全業種におけるテレワークの実施率は27.9%、建設業の実施率は23.3%だ(資料:パーソル総合研究所)
パーソル総合研究所が2020年4月17日に発表したアンケート調査の結果。全業種におけるテレワークの実施率は27.9%、建設業の実施率は23.3%だ(資料:パーソル総合研究所)
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 アンケートは、7都府県に緊急事態宣言が発令された後の4月10日~12日に調査。全国から正社員2万2477人が回答した。

 建設業では、緊急事態宣言の発令前後で、「テレワークを実施している」とした回答者が約2倍に増えた。約1カ月前に実施したパーソル総研の同様の調査では実施率が11.1%だったが、4月の調査では23.3%だった。

 ただ、建設業は他の業種と比べて採用が遅れている。例えば、情報通信業の実施率は53.4%、学術研究や専門・技術サービス業の実施率は44.5%。全業種の平均値は27.9%で、建設業と比べて4.6ポイント高い。

 調査を担当したパーソル総合研究所シンクタンク本部リサーチ部の小林祐児主任研究員は、「新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になる。今後、感染者が建設現場で発生すれば、工程が遅れる。長期の影響を見据えて、建設業では今こそテレワークできる体制準備を急ぐべきだ」と話す。

 建設業のなかでも、職種によってテレワークへの取り組み方は異なる。施工管理や設計に携わっている人のテレワークの実施率は26.3%。一方、職人や現場の作業に携わっている人の実施率は5.9%だ。

2020年4月10日~12日に調査した職種別のテレワークの実施率。建築・土木系技術職のなかで、施工管理・設計系の実施率は26.3%、職人・現場作業員の実施率は5.9%だ(資料:パーソル総合研究所)
2020年4月10日~12日に調査した職種別のテレワークの実施率。建築・土木系技術職のなかで、施工管理・設計系の実施率は26.3%、職人・現場作業員の実施率は5.9%だ(資料:パーソル総合研究所)
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